2010 Fiscal Year Annual Research Report
二次代謝産物生合成マシナリー構築用モデル宿主の開発
Project Area | Biosynthetic machinery: Deciphering and regulating the system for bioactive metabolite diversification |
Project/Area Number |
22108006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
池田 治生 北里大学, 大学院・感染制御科学府, 教授 (90159632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 護 北里大学, 大学院・感染制御科学府, 助教 (40414057)
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Keywords | 生合成マシナリー / ゲノム / 二次代謝産物 / 抗生物質 / 放線菌 |
Research Abstract |
2003年に我々によってゲノムが解読された産業利用放線菌Streptomyces avermitilisをモデルに、その染色体上の物質生産に最適化された遺伝子(群)に影響を与えない大規模欠失組み換え体を作製し、異種二次代謝産物生産並びにそれらの遺伝子発現の評価を行えるための汎用宿主の開発を目指す。既に染色体を80%程度までに欠失させたSUKA株に関し、すべての2次代謝産物の生成を検討可能にするため、さらに欠失に伴う耐性遺伝子挿入を回避するための欠失体SUKA17株を作製した。一方、本菌の線状プラスミドを疑似染色体化するため、染色体上のファージとの部位特異的組換え配列領域を欠失させるとともに、さらに線状プラスミドSAP1の左末端側に上記の部位特異的組換え配列を導入することができた。これら新たな組み換え体は次年度に各種の異種生合成遺伝子群断片を部位特異的な組換えで導入することによって評価を行うとともに線状プラスミド由来の疑似染色体ベクターとしての有効性を検討する。異種2次代謝産物生合成遺伝子群の導入による物質生産過程では生合成遺伝子群の発現を調節する制御遺伝子の発現が重要であることは理解されているが、その制御遺伝子の発現をさらに上位で制御する機構については、数例のみの解析にとどまっている。上位の制御系の問題解決あるいは微量にのみ生成が認められる状態で転写を変化させる試みを行った。転写酵素であるRNAポリメラーゼのβサブユニット(RpoB)の変異はリファンピシン耐性を引き起こすとともに他の遺伝子発現の劇的な変化を生じることが観察されている。本年度rpoB遺伝子のいくつかの変異遺伝子を作製し、いくつかの異種生合成遺伝子群の発現を検討した結果、野生型rpoBを保有する菌株と比べ生成量が1.5~3倍程度に上昇する変異を見出すことができた。
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