Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 康史 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00268335)
上田 哲也 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (90293985)
久保 洋 山口大学, 理工学研究科, 教授 (50205126)
宇野 亨 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80176718)
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Research Abstract |
当該年度以下の3項目に関して研究を行い, 以下の成果を得た. 1) 新規メタマテリアルの理論と構造の開発 開発した3次元等方性負屈折率誘電体メタマテリアルや金属円柱で挟まれた誘電体球で構成される2次元負屈折率媒質等の広帯域化・低損失化の最適設計を行うと同時に, 平板型レンズを構成しサブ波長解像を行うリフォーカス電界分布に成功した. また, 開発した伝送線路型異方性媒質により変換電磁気学に基づき分散エンジニアリング可能な実装理論を構築した. さらに, メタマテリアルを設計するために,FDTD法を主要な電磁界計算手法とした計算コードを開発し,その有効性を実験などを通して確認した. 2) デバイス応用化研究 開発したメタマテリアルのマイクロ波回路およびデバイスの低損失化や広帯域化マルチバンド化の高機能化を進め, 新規な回路デバイス・アンテナとして, ビームスクイントの無い共振型高効率ビーム走査アンテナ, コプレーナ線路からなる非相反メタマテリアル, 偏波回転の電圧制御0次共振アンテナの開発に成功した. さらに, Non-Foster素子を実現する新回路の提案とその実験的検証に成功した. 3) テラヘルツ波・光波領域への概念の展開 試作したテラヘルツ帯で動作するマッシュルーム型CRLHメタマテリアルの磁気壁動作の実験的検証に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で課題としている, 新規メタマテリアルの理論と構造の開発, デバイス応用化研究, およびテラヘルツ波・光波領域への概念の展開, のいずれに対しても実証レベルの成果を得ている. またFDTD法を主要な電磁界計算手法とした電磁界シミュレーションでは当初の計画以上に動作検証が進み班内での情報共有の段階に入っている. 以上の様に, 本研究はおおむね順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度, 各研究課題に対して以下の計画で研究を進める予定である. 1) 新規メタマテリアルの理論と構造の開発 これまで開発したCRLH理論に基づくメタマテリアルの理論を体系化する. 等方性媒質, 異方性媒質, 非可逆媒質, 非フォスター型媒質のそれぞれの媒質に対して, 媒質設計理論, 広帯域化・低損失化等の分散エンジニアリング理論を分類しまとめる. またこれまでに開発した媒質評価技術や数値解析技術をまとめ, 開発ツールとして整備する. 2) デバイス応用化研究 開発したCRLH媒質等を用いた各種デバイスに対する設計技術と作製技術を分類しまとめる. 非放射型の回路・デバイス応用として, 広帯域化, 低損失化, 小型化, 高機能化のための設計技術と, 平面型, 積層型, 3次元型に対する作製技術をまとめる. 同様に, 放射型媒質のアンテナ応用としてアンテナの小型・低背化, 高性能化, 高機能化のための設計技術および作製技術をまとめる. また, メタ表面や人工磁気壁などの新たなタイプの媒質への応用化に対しても設計技術および作製技術をまとめる. それぞれの媒質に対して, 非相反型およびNon-Foster型媒質を導入する場合の設計法とデバイス応用化技術もまとめる. 3) テラヘルツ波・光波領域への概念の展開 領域内の他班をはじめとする他グループとの合同研究集会を開催し, 論文, 開発したツール等の情報を共有することで, これまで開発したCRLH理論に基づくメタマテリアルの設計理論やデバイス応用化技術のテラヘルツ波・光波領域への概念の適用可能性をまとめる.
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