2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Electromagnetic Metamaterials |
Project/Area Number |
22109005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石原 照也 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60168250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 直志 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90127118)
冨田 知志 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (90360594)
小野田 勝 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80425727)
澤田 桂 独立行政法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 特別研究員 (40462692)
大野 誠吾 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (70435634)
中山 和之 福岡大学, 理学部, 助教 (80602721)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | メタマテリアル / ベリー位相 / 量子ドット / トポロジー最適化 / 非相反性 |
Research Abstract |
石原、大野、中山:金属微細構造における光整流効果について実験を行い、考察を進めた。準周期金属誘電体多層膜メタマテリアルを作製し、量子ドットの発光寿命が短くなる現象を解析した。テラヘルツ領域において分割チューブ構造を作製し、時間領域分光法により、磁気的な応答を確認した。西村:2重漁網構造のトポロジー最適化に向けた基礎的研究として、ヘルムホルツ方程式に支配される周期層状構造のトポロジー導関数の理論式を導出し、周期高速多重極法を用いた数値計算によりこれを検証した。また光整流問題において横起電力をマックスウェル応力から推定することを試みた。冨田:グルコースとローダミンの2層膜で、可視光域で誘起される円偏光二色性の楕円率が、入射方向に依存して反転することを見出した。この磁気光学効果での非相反性に似た現象を、磁性体を用いずに界面での多重反射で実現する「カイラルメタ界面」は光アイソレータ等への応用が可能である。澤田:結晶における光の伝搬に対して、歪み場がもたらす影響とベリー位相との関連について、理論と実験の両面から研究した。量子ドットを埋め込んだシリコン結晶において、X線が波乗りするように2方向に分かれて横すべりする現象を発見し、理論と良い一致を示した。小野田:周期構造中の光渦および周期構造界面における光エッジモードに関する解析を行うとともに、その知見をもとに今後実現が期待される光トポロジカル絶縁体の特異な表面状態の特性を推測し、それを利用した新奇なトポロジカル光波束の可能性について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
石原、大野、中山:光整流、発光寿命制御、磁気的応答について実験結果が得られた。スパッタ製膜の実時間観測については最初の3層までの解析が可能となった。西村:ヘルムホルツ方程式に支配される周期層状構造のトポロジー導関数の計算においては、理論解と数値計算結果の一致を確認した。また光整流問題においてはマックスウェル応力から推定した横起電力は、これまでの電場強度による計算結果と類似ではあるが、異なっていることを確認した。冨田:メタ分子の研究から出発し、今年度はメタ界面という、これまでにない新しい概念を打ち立てた。様々な可能性を秘めているメタ界面は、まさに計画研究エの目標である「メタマテリアルに特有の新奇な現象」の一例であり、研究計画は順調に進行していると言える。澤田:光の伝搬に対するベリー位相効果の研究として理論と実験とが一致する成果が得られた。さらに、班内および班間の連携として、上田・冨田らとの共同研究において、マイクロ波領域の非相反的屈折現象のための予備実験として、磁気カイラル効果が観測された。小野田:2次元および3次元周期構造中の光渦および2次元周期構造界面における光エッジ状態のエネルギー流分布と伝搬特性について調べ、その知見をもとに光子系版3次元トポロジカル絶縁体ヘリカル表面モードの特性とそれを利用した新奇なトポロジカル光波束の生成について考察し、後者の存在可能性を理論的に示した。。
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Strategy for Future Research Activity |
石原、大野:非周期のナノポーラスゴールド光整流効果について実験を行う。導波路リソグラフィー法を確立させる。西村:今後トポロジー導関数の計算をマックスウェル方程式に拡張し、さらにはマックスウェル方程式の周期問題におけるトポロジー導関数の2重漁網構造の性能指数(FOM)最大化への適用を検討する。光整流問題においては横起電力に関する理論的考察をさらに深め、適当な時期に論文を執筆する。冨田:これまでのカイラル構造による光学活性の研究を発展させ、澤田(理研)との班内連携、上田(京都工繊大)との班間連携を基に、人工カイラル構造とフェライトを用いたフェリカイラルメタ分子を作製し、光の位相幾何学的効果としての「ローレンツ力」を検証する実験を計画している。澤田:班内・班間の連携研究として、マイクロ波の磁気カイラル効果による光の非相反的屈折現象を検証し、ベリー位相との関連性を調べる。これにより、X線からマイクロ波までの物理を、ベリー位相という概念で理論と実験の両方の側面から結びつけることができる。小野田:光渦・光エッジモードに関する研究を継続するとともに、軌道角運動量を持った光線と同様のボルテックス構造に加え第2のボルテックス構造をもつ前記のトポロジカル光波束の多様性について調べ、誘電体界面における反射・屈折等に対するそれらの安定性について理論的に検証する。
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Research Products
(31 results)
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[Presentation] メタ光物性
Author(s)
中山 和之、大野 誠吾、黒澤 裕之
Organizer
奈良先端未来開拓コロキウム2012
Place of Presentation
奈良先端科学技術大学院大学
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