2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Generation of synapse-neurocircuit pathology |
Project/Area Number |
22110004
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
貫名 信行 独立行政法人理化学研究所, 構造神経病理研究チーム, チームリーダー (10134595)
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Keywords | 神経変性 / 細胞特異性 / 蛍光タンパク質 / セルソーター / ネットワーク |
Research Abstract |
神経疾患研究における重要な課題は病変の細胞特異性である。ネットワークを形成する神経系においてどの細胞がどのように障害されるのかは発症要因と関連し、また症状を決定する。この神経疾患における重要課題へアプローチするため、本研究は異なるプロモーターを用いて蛍光タンパク質を発現したトランスジェニックマウスから蛍光発現細胞をセルソーターによって単離し、その細胞特異性を解析する方法を確立する。この方法によってある遺伝子を特異的に発現する細胞群の特性を明らかにするとともに、ポリグルタミン病を疾患モデル系として細胞特異的解析を行う。すなわちポリグルタミン病モデルマウスとの交配によって細胞特異的な凝集体形成とプロモーター依存性転写異常の関連についてこれまでの論争に決着をつける。本研究の目標は細胞特異的分子神経病理学の基礎をモデルマウスにおいて確立することである。またこれにより、ヒト脳における選択的ニューロン病態解析のツールを確立することである。蛍光タンパク質発現マウス(beta4 promoter-Venusマウス各種-当研究室作成)からのFACSをもちいた細胞分離の条件検討を行っており、ある程度の数(1000-5000)の細胞を安定して採取し、qualityもレベルに達するRNAの採取に成功している。またbeta4の発現解析のためにモノクローン抗体の作成を行った。凝集体結合蛋白質として同定したp62に関してS403のリン酸化が異常タンパク質を分解する選択的オートファジーを制御することを見出し報告した(Matsumoto et al.Mol Cell 2011)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FACSによって特異ニューロンを集めて発現解析を行う研究に関しては意外と細胞の量、RNAの質の確保に苦労しているが、実際に発現解析を行えるような段階になった。結果を期待したい。
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Strategy for Future Research Activity |
結合タンパク質に関してp62S403リン酸化による選択的オートファジーの制御機構を明らかにできたのは予想外の進展であったが、これと病変選択性との関連に関して、作製したS403リン酸化特異抗体を用いて検討したい。
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Research Products
(4 results)