2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞運動の自発的なゆらぎを利用した柔軟な環境応答の分子メカニズム
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
22111002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 昌宏 大阪大学, 生命機能研究科, 特任教授 (40444517)
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Keywords | シグナル伝達 / 1分子計測(SMD) / 自己組織化 / 細胞運動 / 自発性 / 細胞性粘菌 / イノシトールリン脂質 / ゆらぎ |
Research Abstract |
本研究では、細胞の自発運動に関与するイノシトールリン脂質代謝経路の自己組織化反応に着目し、多階層イメージング解析により自己組織化反応の時空間ダイナミクスを実験的に捉え、数理モデル化を通して、確率的にはたらく分子から細胞の運動機能がゆらぎを内包しつつ自律的に形成されるメカニズムを明らかにすることを目指す。 イノシトールリン脂質代謝経路の自己組織化メカニズムと自発運動ゆらぎを利用した環境適応メカニズムを解明するためには、代謝経路を構成する分子群の1分子特性とそれら分子群がつくる分子ネットワークの時空間ダイナミクス、自発運動ダイナミクスを定量的に特徴付け、その知見に基づいて数理モデルを構築する必要がある。そのために、主に次の3つの研究項目を推進してきた。 (1)細胞運動および細胞内分子ダイナミクスを計測するための多階層イメージング技術の開発。 (2)細胞運動を定量的に解析し、記述するための統計解析法の開発。 (3)細胞運動の自発的なゆらぎを創発する細胞内自己組織化メカニズムの解明と数理モデル構築。 特に本年度は(1)の多階層イメージング技術を開発するために、1分子特性と分子ネットワークダイナミクスを同時にイメージング解析できるような顕微鏡システム(多階層イメージングシステム)のプロトタイプを構築した。イノシトールリン脂質代謝経路の自己組織化に関与することが明らかになっているPTEN分子を具体的な計測対象とし、顕微鏡システムの最適化を行なった。多階層イメージングにより,1分子の振る舞いと分子集団のダイナミクスを同時に可視化することが可能になった。今後は(2)の統計解析法を開発し,1分子特性(拡散係数・反応速度パラメーターなど)と分子集団ダイナミクス(自己組織化によって現れる振動の特徴量)の定量化を進める。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Self-organization of the phosphatidylinositol lipids signaling for randomcell migration2010
Author(s)
Arai, Y., Shibata, T., Matsuoka, S., Sato, M.J., Yanagida, T., Ueda, M.
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Journal Title
Proc.Natl.Acad.Sci.USA.
Volume: Vol.107
Pages: 12399-12404
Peer Reviewed
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