2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞運動の自発的なゆらぎを利用した柔軟な環境応答の分子メカニズム
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
22111002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 昌宏 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40444517)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 自己組織化 / 自発性 / 細胞運動 / 興奮系 / イノシトールリン脂質 / 細胞性粘菌 / 1分子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞の自発運動のシグナル生成に働くイノシトールリン脂質代謝系に注目し、構成分子による細胞内自己組織化の仕組みを多階層にわたる定量計測と数理モデル構築により解明した。特にPTEN分子に着目し、1分子レベルでの確率的特性と自己組織化ダイナミクスの関係、さらに細胞運動のゆらぎの関係を定量的に解析した。PTEN分子の細胞膜結合反応の1分子解析により、C2ドメインの重要性が明らかになった(Yasui et al., 2014)。この結合調節の仕組みは、この代謝系の興奮性(Nishikawa et al., 2014)を適度な強度に保つことに寄与しており、その結合性の変調により細胞の自発的極性形成、および、細胞の自発運動動態のゆらぎが変調されることが明らかになった。こうした定量計測に基づき、イノシトールリン脂質代謝系の自己組織化モデル(Shibata et al., 2013)と細胞運動モデル(Nishimura et al., 2012)を統合した数理モデルを構築した。これにより、1分子レベルでの確率的特性と細胞レベルでの自発運動動態の関係を定量的に議論できるようになった。こうした成果に加えて、新しい1分子解析法を開発した。(1)PTENが細胞膜上をhoppingする現象を発見した。これはPTENと細胞膜の相互作用が数十ミリ秒の間隔で連続して起こるもので、タンパク質の細胞膜局在の新しい仕組みといえる。同じ分子が細胞膜への再結合する確率密度を時空間的に算出する解析法を開発した(Yasui et al., 2014)。(2)量子ドットを用いた多色1分子計測により、従来よりも高密度下での1分子追跡が可能になった(Komatsuzaki et al., 2015)。これらの成果は本研究で開発した定量イメージングを応用したものであり、当初計画で想定した研究成果を超えるものである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Compact Halo-Ligand Conjugated Quantum Dots for Multicolored Single-Molecule Imaging of Overcrowding GPCR Proteins on Cell Membrane2015
Author(s)
Komatsuzaki, A., Ohyanagi, T., Tsukasaki, Y., Miyanaga, Y., Ueda, M. and Jin, T.
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Journal Title
Small
Volume: 11
Pages: 1396-1401
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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