2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
22111003
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
木梨 達雄 関西医科大学, 医学部, 教授 (30202039)
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Keywords | リンパ球 / ケモカイン / インテグリン / Rap1 / ストローマ細胞 |
Research Abstract |
前年度の解析からリンパ組織内でT細胞の活発な移動、特に10um/min以上の高速移動にLFA-1/ICAM-1が必要であることから、移動から抗原認識による停止接着をin vivoで再現し、可視化した。すなわち、OVA特異的OT-II T細胞を単離、ラベル後、抗原提示細胞(樹状細胞)が可視化されているCD11c-YFPマウスに移入した。OVAペプチドを静脈注入したところ1-2分以内に10um/minの速度から急速に低下し、5um/minの速度に低下すること、野生型Tリンパ球は影響を受けないことなどから、抗原特異的停止接着が起こっていることが明らかになった。この系を用いて、ICAM-1,Mst1の依存性をノックアウトマウスを用いて調べたところ、抗原依存的停止接着にはICAM-1とMst1が必要なこと、ICAM-1、Mst1ともに欠損するとさらに低下することから、LFA-1/ICAM-1依存、非依存的にMst1は停止接着に関与することが示唆された。 リンパ組織と異なり、胸腺組織内での胸腺細胞の動態はほとんど明らかにされていないことから、胸腺組織スライスを作成し、CD4/CD8 double positive(DP),CD4 single positive(SP)胸腺細胞の組織内動態を調べた。SPは主に髄質に移行し、活発に移動し(平均速度15μm/min)、DP細胞は皮質に局在し、移動を示すがSP細胞に比較して遅かった(5-7μm/min)。Mst1欠損ではDP細胞の移動に異常はないが、SP細胞の移動が低下していた。RIP-mOVA胸腺スライスを用いてOT-II CD4+SP細胞の抗原認識を調べたところ、すみやかに移動から停止を示す細胞が多く見られ、5-8時間後に抗原特異的にクラスターを形成した。クラスターを形成しているSP細胞は細胞内カルシウムが持続的に上昇していた。一方、抗原非特異的SP細胞は活発に移動し、クラスターを形成やカルシウムの持続的な上昇は起こらなかった。クラスターを形成した胸腺組織を染色したところクラスター内にはICAM-1強陽性のfociをもつAire陽性mTECが存在し、CD11c陽性樹状細胞とはクラスターを形成していなかった。Aire+ICAM1hiのmTECとのクラスター形成はICAM-1欠損やLFA-1抗体によって阻害されたことからLFA/ICAM-1を介する接着と考えられる。一方、Mst1欠損OT-II細胞ではmTECとの接着やクラスター形成が低下した。以上のことからいままで不明であった胸腺組織内での抗原認識過程が末梢リンパ節と類似していることが明らかになった。今後、胸腺細胞内での動態が、胸腺選択にどのように関与するか調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リンパ球動態のin vivo,ex vivo,スライス組織系を樹立が期待どおりなされ、LFA-1,ICAM-1、Rap1シグナルの解析が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
個体・組織レベルの動態解析を進めるとともに、Rap1シグナルによるLFA-1分子の調節について一分子解析を導入して、移動と停止における接着様式の変化を解析する。
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[Journal Article] DOCK8 is a Cdc42 activator critical for interstitial dendritic cell migrataon during immune responses2012
Author(s)
Yosuke Harada, Yoshihiko Tanaka, Masao Terasawa, Markus Pieczyk, Katsuyoshi Habiro, Tomoya Katakai, Kyoko Hanawa-Suetsugu, Mutsuko Kukimoto-Niino, Tomoko Nishizaki, Mikako Shirouzu, Xuefeng Duan, Takehito Uruno, Akihiko Nishikimi, Fumiyuki Sanematsu, Shigeyuki Yokoyama, Jens V.Stein, Tatsuo Kinashi, Yoshinori Fukui
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Structural basis for mutual relief of the Rac guanine nucleotide exchange factor DOCK2 and its partner ELMO1 from their autoinhibited forms2012
Author(s)
Kyoko Hnanawa-Suetsugu, Mutsuko Kukimoto-Niino, Chiemi Mishima-Tsumagari, Ryogo Akasaka, Noboru Ohsawa, Shun-ichi Sekine, Takuhiro Ito, Naoya Tochio, Seizo Koshiba, Takanori Kigawa, Takaho Terada, Mikako Shirouzu, AkihikoNishikimi, Takehito Uruno, Tomoya Katakai, Tatsuo kinashi, Daisuke Kohda, Yoshinori Tukui, Shigeyuki Yokoyama
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci USA
Volume: 28:109(9)
Pages: 3305-3310
DOI
Peer Reviewed
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