2013 Fiscal Year Annual Research Report
線虫の生殖巣形成における上皮と基底膜のクロストーク
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
22111005
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
西脇 清二 関西学院大学, 理工学部, 教授 (30342827)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | 線虫 / ADAMTS family / GON-1 / fibulin-1 / IV型コラーゲン / 微小管 / キネシン / 細胞移動 |
Research Abstract |
1.生殖巣リーダー細胞DTCの細胞骨格の挙動解析: UNC-5::GFPはDTC内で小胞状に存在し、特に核膜周辺に強く局在する。kinesin-1のRNAiではUNC-5::GFPは細胞表層に蓄積するようになることから、kinesin-1はUNC-5小胞を核膜に繋ぎ止め、別のkinesinが細胞膜への輸送を担っている可能性が考えられた。そこでC. elegansに存在する15種類の全てのkinesin遺伝子についてRNAi解析を行った。しかしながら、kinesin-1以外ではDTC移動やUNC-5::GFPの局在に異常は見られなかった。UNC-5の細胞表層への輸送はアクチン線維を介している可能性もあると考えたが、Latrunculin Bによってアクチン線維を破壊してもUNC-5::GFPの局在に影響がなかった。以上の結果から、UNC-5小胞は微小管依存的に細胞表層に運ばれると考えられるが、現在のところ関与するモーター蛋白質は不明であり、UNC-5小胞が微小管重合により力学的に移動する可能性も考えられる。 2.基底膜の制御に関わるADAMTSプロテアーゼGON-1の解析: DTC移動におけるFBL-1/fibulin-1とGON-1の拮抗的な相互作用を探るために、EMB-9::Dendraを用いて基底膜collagen IVの量とその代謝速度を検討した。gon-1変異体ではcollagen IVの蓄積速度が野生型に比べて増加しており、また分解速度が低下していた。fbl-1変異体では蓄積速度が減少していたが、分解速度は野生型と変わらなかった。fbl-1 gon-1二重変異体では蓄積、分解ともに速度が低下しており、collagen IVの蓄積量は野生型に近い値であった。以上の結果から、DTCの移動速度にはcollagen IVの蓄積と分解の釣り合いによる適切な蓄積量が重要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.本年度UNC-5小胞を核膜に繋ぎ止めるkinesin-1以外に、UNC-5を核から細胞表層に運ぶモーター蛋白質の探索を行った。全てのkinesin遺伝子について検討を行ったが結果はネガティブであった。しかしながら、この結果はこれまで知られているようなkinesinモーターによる小胞輸送ではない、新たなメカニズムがUNC-5小胞の輸送にはたらいている可能性を示唆している。我々は本領域での研究で、DTC内の微小管がDTC移動の後端から前端に向かって活発に伸長を繰り返していることをつきとめており、このような微小管の重合が力学的にUNC-5小胞を運んでいる可能性を考え、検討を行っている。2.光変換型レポーターEMB-9::Dendraを用いた解析に成功し、fbl-1, gon-1単独変異体および fbl-1 gon-1二重変異体での代謝速度の定量的なデータの取得を行った。数理モデル化には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1.Kinesinを介さない微小管の働きの可能性について解析を行う。+端結合蛋白質EBP-2::GFPを用いて、DTC内微小管の成長の様子をモニターする。特に野生型、kinesin-1 RNAi, unc-83, unc-84変異体の比較を行う。またDTCの方向転換においてUNC-5はもう一つの受容体UNC-40とヘテロ二量体を作ると考えられている。そこで、UNC-40の挙動についても解析を行う。2.DTCの移動における基底膜の制御に関しては、25年度と同様にEMB-9::Dendraの系を用いて、IV型collagenの蓄積と代謝速度を解析する。我々はgon-1変異体のDTC移動異常を抑制する遺伝的サプレッサーの解析から、fbl-1、emb-9、let-2/ IV型collagen alpha2鎖の機能獲得型変異を発見している。平成26年度はこれらのサプレッサー変異体でIV型collagenの蓄積や代謝にどのような変化があるのかを解析する。ライブイメージングからの定量データに基づき、数理モデル化を試みる。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] The novel secreted factor MIG-18 acts with MIG-17/ADAMTS to control cell migration in Caenorhabditis elegans.2014
Author(s)
Kim, H-S., Kitano, Y., Mori, M., Takano, T., Harbaugh, T. E., Mizutani, K., Yanagimoto, H., Miwa, S., Ihara, S., Kubota, Y., Shibata, Y., Ikenishi,K., Garriga, G., and Nishiwaki, K.
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Journal Title
Genetics
Volume: 196
Pages: 471-479
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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