2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
22111006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮田 卓樹 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70311751)
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Keywords | 神経前駆細胞 / 神経上皮 / 細胞移動 / 細胞間相互作用 / イメージング / 細胞極性 / 細胞分化 / 三次元培養 |
Research Abstract |
研究課題「神経前駆細胞の動と静を制御する場と集団の原理」は,新学術領域「動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成」(略称:動く細胞と秩序)の項目AO3「組織から器官へ」に属し,(1)脳・脊髄・網膜の基礎となる三次元構造「神経上皮」が,ageや分化度の異なる細胞をいかに自身の中に共存させているか,(2)神経上皮中において,ヘテロな細胞たちの動きがいかに組み合わされ,細胞間の関係性がどう変化していくのか,(3)細胞の動きに裏打ちされた「関係性の変化・ゆらぎ」が,集団としての三次元構造および細胞産生力の維持・変化にどう貢献するのか,を明らかにする.この研究を通じて,脳という秩序だった三次元構造体を形成させることのために神経前駆細胞がどのように集団としてふるまうのかを明らかにすることができる.その知見は神経科学全般の基礎として役立つとともに,幹細胞を利用して再生医療的取り組みに対しても貴重な手がかりを与えると考えられる,また,神経前駆細胞の集団がいかに混雑・渋滞を避けて効率的な共存体制を確保しているかを知ることは,人間社会の群衆あるいは情報の動きの制御法の開発に通じるような学びの材料としても役立つ可能性がある. 本年度は,まず,細胞移動に不可欠な細胞内小器官,とくに中心体とゴルジ体のライブ可視化を目標として系の立ち上げを図った.胎生期マウス大脳原基に対する子宮内エレクトロポレーション法とスライス培養の組み合せに,さらに本研究で新たに導入したスピンディスク型共焦点顕微観察システムを用いることで,目的の時間空間分解能を確保してのイメージングを果たすことができた.その成果の一部は,学会(国内で行なわれた国際学会)および研究会で発表した.
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Research Products
(4 results)