2010 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βファミリーのがん微小環境に及ぼす作用とがん治療戦略
Project Area | Integrative Research on Cancer Microenvironment Network |
Project/Area Number |
22112002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮園 浩平 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90209908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 潤一郎 京都大学, 再生医科学研究所, 特任研究員 (60511243)
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Keywords | 微小環境 / がん浸潤 / 転移 / 血管新生 / リンパ管新生 / 生体材料 / BMP / TGF-β |
Research Abstract |
1)TGF-βによって誘導されるEMTの制御:TGF-β-SmadシグナルはEMTを制御する。我々はがん細胞がTGF-βに加えてFGF-2を産生すると上皮細胞はEMTを起こすもののα-SMAやカルポニン陰性でより活性化した線維芽細胞ができることを見出した。さらに活性化線維芽細胞はMMP-9などを産生しがん細胞の浸潤を亢進させることを見出した。 2)CAFの誘導とその働きに関する研究:EMTによって誘導された線維芽細胞は形態的にはTGF-βと共存するシグナルによってさまざまである。我々はTGF-βを加えるとFGF受容体やCD44などにaltemative splicingが起こり、EMTを誘導することを見出した。TGF-βはδEF1(ZEB1)やSIPIを誘導し、その結果、alternative splicingを制御するRNA結合タンパク質ESRPの発現を減少させる。その結果、多くの遺伝子にalternative splicingが起こっている可能性があることが明らかとなった。 3)血管・リンパ管新生の制御に関する研究:スキルス胃がんをモデルとしてTGF-βシグナルによる血管・リンパ管新生の分子機構の研究を行った。我々はすでにThrombospondin-1が血管新生を抑制し、スキルス胃がんの進展を制御していることを明らかにしていたが、さらにTIMP-2がスキルス胃がんの血管新生に重要な役割を果たしていることを明らかにした。またChiPシーケンシング法によりBMPの血管内皮細胞における結合プロフィールを明らかにした。 4)人工がん微小環境の創成:スキルス胃がんの進展の制御を目的にTGF-βやBMPなどの生理活性物質を内包したバイオマテリアルを作成し動物実験を遂行中である。
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Research Products
(21 results)