2013 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βファミリーのがん微小環境に及ぼす作用とがん治療戦略
Project Area | Integrative Research on Cancer Microenvironment Network |
Project/Area Number |
22112002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮園 浩平 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90209908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん微小環境 / シグナル伝達 / 生体材料 / 生体イメージング / ゲノム科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) TGF-βによって誘導されるEMTの制御:肺腺がんの悪性度に関わる転写因子TTF-1のTGF-βシグナルに与える影響を調べ、Smad4を介しない、TTF-1/Smad3複合体の標的遺伝子としてLMO3を同定した。TTF-1とTGF-βの共同による新規のシグナル経路が明らかとなった。 2)CAFの誘導とその働きに関する研究:TGF-βとFGFの共同作用で誘導される線維芽細胞は独自の活性化した形質を獲得する。活性化線維芽細胞はIntegrin α3などを特徴的に発現することが明らかとなった。一方、血管内皮細胞もTGF-βによって間葉系細胞に分化するが(EndMT)、EndMTの過程ではFGFは抑制的に作用することが明らかとなった。 3)血管・リンパ管新生の制御に関する研究:BMP-9に加えてPDGFがリンパ管新生に重要な役割を果たすことが明らかとなった。In vitroだけでなく、in vivoでもPDGFRβFcや低分子化合物がリンパ管新生を抑制することを確認した。 4)BMPのがんとがん微小環境に関する研究:本年度の研究の過程でBMP-4が大腸がんの細胞で特異的に高発現していることが明らかとなった。他のBMPの発現は変化なく、BMP-4のみに特異的な現象と考えられた。BMP-4は大腸がん細胞のアポトーシスを抑制することからBMP-4の作用の制御ががんの進展に重要な役割を果たすことが明らかとなった。 5)人工がん微小環境の創成:体内に近い状態で細胞の生物機能を維持させる細胞集合体の培養技術を創製した。集合体内部にゼラチンハイドロゲル微粒子を均一に組み入れ、細胞への栄養、酸素の供給を効率化させた。その結果、細胞生存率と骨芽細胞分化が有意に増加した。ゼラチンハイドロゲル粒子からBMPを徐放することで、より高い効率の骨分化が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TTF-1とTGF-βのクロストークで制御される標的遺伝子としてLMO3を同定し、全く新しいシグナル制御機構を発見した。研究はおおむね順調に進行し、本研究の成果としてPNASなどに9編の論文を発表した。またBMP-4の大腸がんにおける重要な役割を見出したため、研究費の繰り越し申請を行い、平成26年9月までに成果をとりまとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム解析手法の導入により研究は極めて順調に進行している。データベースの解析により、これまで予想しなかった新たな発見も見られ興味深い成果が得られつつある。現時点で研究面での大きな障壁は見られない。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Basolateral BMP signaling in polarized epithelial cells2013
Author(s)
Saitoh M, Shirakihara T, Fukasawa A, Horiguchi K, Sakamoto K, Sugiya H, Beppu H, Fujita Y, Morita I, Miyazono K, Miyazawa K.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 13
Pages: e62659
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Bone morphogenetic protein-9 inhibits lymphatic vessel formation via activin receptor-like kinase 1 during development and cancer progression2013
Author(s)
Yoshimatsu Y, Lee YG, Akatsu Y, Taguchi L, Suzuki HI, Cunha SI, Maruyama K, Suzuki Y, Yamazaki T, Katsura A, Oh SP, Zimmers TA, Lee SJ, Pietras K, Koh GY, Miyazono K, Watabe T.
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences of U S A.
Volume: 110
Pages: 18940-18945
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] TGF-βシグナルとがん2013
Author(s)
宮園浩平
Organizer
平成25年度 がん若手研究者ワークショップ
Place of Presentation
蓼科グランドホテル(長野県茅野市)
Year and Date
2013-09-04 – 2013-09-07
Invited
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