2011 Fiscal Year Annual Research Report
がん幹細胞と微小環境の相互作用の解明とその分子機構を標的とした治療法開発
Project Area | Integrative Research on Cancer Microenvironment Network |
Project/Area Number |
22112004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 徹 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70150745)
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Keywords | 微小環境 / がん幹細胞 / 神経膠芽腫 / 大腸がん / 造腫瘍性 / 分子標的 / 低酸素 / ncRNA |
Research Abstract |
神経膠芽腫および大腸がんの幹細胞にRNAiライブラリーを導入することにより同定した造腫瘍性に重要な遺伝子について以下の研究を行った。 1)機能未知の1回膜貫通型蛋白質EN-9、EN-10(仮称)が神経膠芽腫の運動および生存に重要な役割を果たしていることを見出した。さらに、細胞内ドメイン結合蛋白質を同定し、下流のシグナル経路の同定を進めた。 2)Lgr5が大腸がんでの過剰発現にはGATA6が重要な役割を果たしていることを明らかにした。 3)Lgr5のリガンドがR-spondinであることが報告されたが、大腸がん培養上清中にLgr5依存的にCREBの活性化を引き起こす活性が存在することを見出した。R-spondin以外のリガンドである可能性もある。 4)APCにより活性化されるGEF分子Asefの大腸がんでの過剰発現にはNotchシグナルが関与していることを明らかにした。さらに、微小環境中の血管内皮細胞の発現するNotchリガンドがAsefの過剰発現に重要な役割を果たしていることを見出した。 5)造腫瘍性に重要であることを明らかにしたncRNA2種類の機能を解析し、そのうちの一つNR Xは低酸素で誘導されることを明らかにした。さらに、NR Xの機能を明らかにするために結合タンパク質の同定を試みた。 5)EN-9、EN-10、KTO-77、NE-MT、Lgr5などの膜蛋白質に対するモノクローナル抗体の作製を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれの研究項目について順調に成果をあげることができた。投稿論文についてはncRNAについては、当初の計画以上に研究が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)1回膜貫通型蛋白質EN-9、EN-10(仮称)が神経膠芽腫の運動および生存に重要な役割を果たす分子機構を明らかにする。2)細胞内ドメイン結合蛋白質を同定し、下流のシグナル経路の同定を進める。3)大腸がん培養上清中のLgr5依存性のCREB活性化物質を精製・同定する。4)低酸素で誘導されるncRNAの一種NR_Xと結合タンパク質の複合体の機能を明らかにする。
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Research Products
(4 results)