2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨の生体イメージングによる骨髄細胞・骨転移癌の遊走・分化やニッチ環境の可視化
Project Area | Mutli-dimensional fluorescence live imaging of cellular function and molecular activity |
Project/Area Number |
22113007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 優 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (10324758)
|
Keywords | 骨髄環境 / イメージング / ニッチ / ケモカイン / がん幹細胞 / 細胞分化 / 細胞動態 |
Research Abstract |
骨髄腔はリンパ球を始めとして顆粒球・単球など多種多様な血液系細胞の発生・機能分化の主要な場であり、それらの元となる血液幹細胞が自己複製能・多能性を維持して存在する場であり、さらには骨転移腫瘍のように本来存在し得ない細胞が迷入して潜伏する場である。これらの各細胞が骨髄腔内でそれぞれの特殊な環境(=ニッチ)へいかにして遊走し位置決めを行うか、またその場でどのような個別の分化制御を受けるかについて、これまで多くの研究がなされてきたが、その多くは固定骨組織を用いた静的な解析であった。本研究では、研究代表者が最近立ち上げた、二光子励起顕微鏡を用いた骨組織・骨髄内の生体イメージング系(Ishii et al.,Nature,2009)を駆使して、生きた骨組織・骨髄内におけるリンパ球・単球などの骨髄細胞の機能・分化とそのニッチ環境と、癌の骨転移メカニズム・癌幹細胞ニッチの各動態について、実体的かつ統合的な解析を行う。初年度である平成22年度には、本システムを利用した破骨細胞動態の解析(Ishii et al.,J Exp Med,2010)に加えて、骨髄内環境の生きた可視化のための種々の基盤技術の開発を行い、(1)骨髄内ストロマ環境の可視化、(2)白血病細胞の骨髄内での可視化、(3)がんの骨転移の可視化、などに成功しつつある。さらには、細胞の位置情報のみならず、分化・形質変化を捉える新たな方法論の開発を行い、種々の条件検討・最適化により十分な解析が可能な実験系が立ち上がってきている。平成23年度以降は、これらの成果を元に、骨髄・骨組織内でのニッチ環境・がん細胞動態について具体的な解析を行っていく計画としている。
|
Research Products
(6 results)