2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨の生体イメージングによる骨髄細胞・骨転移癌の遊走・分化やニッチ環境の可視化
Project Area | Mutli-dimensional fluorescence live imaging of cellular function and molecular activity |
Project/Area Number |
22113007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 優 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10324758)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | 骨髄環境 / イメージング / ケモカイン / がん幹細胞 / 細胞分化 / ニッチ |
Research Abstract |
本研究では生体多光子励起イメージングの方法論を用いて、生きた動物の骨組織・骨髄内をリアルタイムで可視化する独自の実験系を確立させ、これを駆使して破骨細胞による骨破壊や骨芽細胞による骨新生の過程、およびその両者の生体内相互作用を時空間的に統合的に解明している。平成25年度は破骨細胞が骨に接着し、破壊・吸収する過程を詳細に解析し、破骨細胞を「骨を活発に破壊するタイプ」と「比較的不活性のタイプ」の2種類に機能的に分類することができた。また、炎症性骨破壊では炎症性T細胞がこの機能的形質を変化させることが明らかになった。さらに。骨芽細胞と破骨細胞の2重標識化に成功し、両者の動的な相互作用を動的経過として可視化することができた。 一方で、本研究では平成24年度までに、骨髄内における破骨細胞・マクロファージの骨髄内での定着・遊走が、脂質メディエーターであるスフィンゴシン1リン酸(S1P)やその受容体によって動的に制御されていることをすでに明らかにしていたが、平成25年度は、このS1Pによる破骨細胞制御が、旧来より骨保護作用をもつと言われながらもその具体的な作用機序が不明であった活性型ビタミンDによって制御を受けることを明らかにした。これは骨破壊制御の治療の観点から重要な成果とされている。 さらに平成25年度は、骨髄内でのがん細胞動態の動態制御の解明の観点から、蛍光標識したbcr-abl発症白血病細胞、または骨髄性白血病のライン化した腫瘍細胞を用いて、標識したがん細胞が定着する部位、およびその部位での動態、周囲のストロマ細胞との細胞間相互作用を可視化することに成功した。また、これらの白血病細胞にOVAを発現させるがん細胞の作成に成功しており、OT-IT細胞を用いて抗白血病免疫の実体を解明する基盤を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
破骨・骨芽細胞の2重標識システムの確立や、白血病細胞の標識・動態解析など、当初計画の通り順調に経過していると言える。それらに加えて、破骨細胞の動的制御が活性型ビタミンDの薬効作用点になっていることなどの、当初計画での予想を超える研究成果も得られており、全体としては計画研究は順調に進行していると自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
骨髄内での白血病細胞のイメージング系であるが、用いる細胞種(bcr-abl異所性発現系やライン化した白血病細胞など)によって、生体骨組織内での局在や動態に若干の差異があり、今後、こういった異なる実験系における解析結果をどのように統合するかが大きな課題となっている。特に、ヒト白血病細胞の動態を解析するためには、現在のところ免疫不全マウスを用いる他はなく、その他のモデルとの相違点を系統的に解析することで、がん細胞の動態やその微小環境による制御機構に関する、より普遍的な概念の創出を目指す。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Cell cycle-dependent Rho GTPase activity dynamically regulates cancer cell motility and invasion in vivo.2014
Author(s)
Kagawa Y, Matsumoto S, Kamioka Y, Mimori M, Naito Y, Ishii T, Okuzaki D, Nishida N, Maeda S, Naito A, Kikuta J, Nishikawa K, Nishimura J, Haraguchi N, Takemasa I, Mizushima T, Ikeda M, Yamamoto H, Sekimoto M, Ishii H, Doki Y, Matsuda M, Kikuchi A, Mori M, Ishii M
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8
Pages: e83629
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Dynamic visualization of RANKL and Th17-mediated osteoclast function.2013
Author(s)
Kikuta J, Wada Y, Kowada T, Wang Z, Sun-Wada G-H, Nishiyama I, Mizukami S, Maiya N, Yasuda H, Kumanogoh A, Kikuchi K, Germain RN, Ishii M
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Journal Title
J. Clin. Invest.
Volume: 123
Pages: 866-873
DOI
Peer Reviewed
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