2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体イメージングによる血管新生シグナルの時空間制御機構の解明
Project Area | Mutli-dimensional fluorescence live imaging of cellular function and molecular activity |
Project/Area Number |
22113009
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
福原 茂朋 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (70332880)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | 蛍光生体イメージング / 血管新生 / 細胞形態・運動 / 細胞増殖 / 遺伝子発現 / シグナル伝達 / bカテニン |
Research Abstract |
ゼブラフィッシュの蛍光イメージングにより、血管形成における内皮細胞の“形態・運動能”、“細胞増殖”、“遺伝子発現”を制御する分子機序について解析を行った。 ① 伸長する血管の先端に位置するTip細胞は、血管新生因子に反応して先導端に糸状仮足を形成し、血管が伸長する方向を決定する。われわれは、ゼブラフィッシュの尾側静脈の形成に着目し、血管新生過程の内皮細胞の糸状仮足形成を制御するシグナル伝達系を解析した。その結果、Bone morphogenetic protein(BMP)がArhgef9bを介してRhoファミリー低分子量G蛋白質の1つCdc42を活性化すること、さらに活性化したCdc42がフォルミンファミリー分子の1つFormin-like 3(Fmnl3)を介して糸状仮足形成を誘導し、尾側静脈の血管新生を制御していることを示した。また、Cdc42はFmnl3のN末端領域に結合することで抑制性分子内相互作用を解除し、Fmnl3を活性化することを示した(Dev. Cell, under revision)。 ② これまでに、内皮細胞で細胞周期バイオセンサーFucciを発現するゼブラフィッシュを樹立・解析し、血管形成における内皮細胞増殖の役割を明らかにしてきた。平成25年度は、得られた研究成果を学術誌に投稿した(Dev. Biol., under revision)。 ③ 血管内皮細胞のbカテニン転写活性を可視化できるゼブラフィッシュを樹立し、尾側静脈形成におけるbカテニンの役割を解析した。その結果、Bmpはクロマチンリモデリング因子Aggf1の発現を誘導しbカテニンの転写活性を亢進すること、さらにbカテニンは、静脈分化に関わる核転写因子nr2f2の発現を介して尾側静脈の成熟化を制御するとともに、静脈内皮細胞の生存にも寄与していることを明らかにした(In preparation)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、当初の研究目標までほぼ到達することができ、現在研究を遂行している血管形成過程の内皮細胞の“形態・運動能”、“細胞増殖”、“遺伝子発現”を制御する分子機序のそれぞれについて、研究成果を学術論文に投稿中あるいは投稿準備中である。以上の理由から、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように、本研究は概ね順調に進展していることから、最終年度である平成26年度は、これまでの研究成果を学術論文として報告すると共に、積極的に学会に参加し、研究成果をアピールする。また、これまでの研究成果を基盤として、今後の研究の推進方策を明確にする。具体的には、これまでの知見を基に、血管新生過程の内皮細胞のcollective cell migrationのメカニズムについて解析を進めていきたいと考えている。
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Research Products
(20 results)