2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
22115005
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
松崎 政紀 基礎生物学研究所, 光脳回路研究部門, 教授 (50353438)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / 高性能レーザー |
Research Abstract |
個々の神経細胞は、全長で数ミリメートルにも及ぶ複雑な樹状突起構造を持つが、その複雑性の機能的意義は未解明である。その中でも、大脳皮質第5層錐体細胞が脳表近く第1層まで伸ばす樹状突起部位は、高次領野および視床からの入力を受けること、運動学習によって運動野第1層でのシナプス生成・消失が起こることから、この部位でのシナプス情報統合の重要性が想定されている。しかし、その実体、機能、意義については不明である。そこで、本研究では、大脳皮質運動野第1層樹状突起・シナプスを、異なったメゾ回路からの情報が統合される基盤構造と位置づけ、この実体と演算機能、運動野メゾ回路最終出力としての個体運動に対する寄与を、主に光生理学的手法を用いて解明する。本年度は、マウスの頭部固定レバー前肢運動課題遂行中での他領野からの大脳運動野第1層に入力する軸索活動を2光子カルシウムイメージングによって計測した。その結果、レバー引きに同期して活動する軸索を多く検出した。さらにこれらの軸索活動を光遺伝学的手法を用いて撹乱することで、レバー引き運動に変化が起こることがわかった。これらの結果は他領域から運動野へ投射する軸索の活動は運動出現に大きく寄与する可能性を示唆している。また各種カルシウム感受性蛍光タンパク質、光遺伝学タンパク質を発現するウイルス導入を行い、実験系として適切な遺伝子の選定し、レバー前肢運動課題中での運動野錐体細胞の樹状突起活動やシナプス活動を計測可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大脳皮質第1層の微細メゾ回路におけるシナプス信号の統合様式と運動出力の関係を明らかにするための、個体マウス前肢レバー引き運動課題遂行中の第1層軸索入力活動の計測、運動野錐体細胞の樹状突起およびスパイン活動の計測を確立したことは計画通りである。さらに、軸索入力活動の光操作にも成功しレバー引きに影響を与えることを実証できた。現在、入力軸索と受取側のスパインを同定する実験系を立ち上げつつある。これらの活動と運動発現の関連性の詳細な解析はまだ十分行えていないが現在実験数を増やしているところであり、おおむね順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
前肢レバー引き運動課題遂行中に運動野第1層に入力する軸索がどのようなタイミングで活動するかを高速イメージングで詳細に明らかにする。そのために体動による微細構造の画面揺れを補正する画像処理を行う。他領野からの軸索が運動野のどの細胞種に強く入力しているのか、その細胞活動がどのように運動発現に関与しているのかを2光子イメージングと光刺激によって明らかにしていく予定である。ケージド試薬の使用を予定していたが、慢性的実験が難しいなどがわかりムシモールの一過的投与などを計画中である。
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Research Products
(5 results)