2014 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝学的摂動を用いた樹状突起ジオメトリーの演算原理の追究
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
22115006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上村 匡 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (80213396)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 樹状突起 / 神経回路 / 演算 / ショウジョウバエ |
Outline of Annual Research Achievements |
ショウジョウバエの一次感覚ニューロンであるClass IV dendritic arborization neuron (Class IV neuron)をモデル細胞として、以下の成果をあげた。Class IV neuron は異なる侵害性刺激(高温、機械刺激、短波長光)に応答し、各々に対して固有の忌避行動を惹起させる。幼虫腹部への高温刺激は、体全体を側方に回転させる行動(Rolling)を生じさせる。一方、幼虫頭部への光刺激は、頭部を転向させる行動(Head turning)を惹起させる。このことから、Class IV neuronは感覚入力を弁別的に処理して、下流の回路に情報を伝えていると考えられる。腹部体節のClass IV neuronを赤外線レーザーにより熱刺激したところ、樹状突起の広範にわたる一過的なCa2+上昇(Ca2+ transient)がみられた。同時に、高頻度発火とそれに続く停止期で構成されるBurst-and-Pause型の発火パターンが発生した。この2つの生理現象は、L型電位依存性Ca2+チャネル(L-type VGCC)のα1サブユニット遺伝子のノックダウンにより著しく発生確率が減少した。さらに、Class IV neuron特異的にL-type VGCCをノックダウンした個体は熱忌避Rolling行動の遅延を示した。よって、Class IV neuronにおけるL-type VGCC依存的なBurst-and-Pause型の発火パターンが、熱忌避Rolling行動の指令信号である可能性を考えた。熱刺激とは対照的に、Class IV neuronを光刺激した際にはCa2+ transientは起きず、低頻度の一様発火が発生した。以上の結果から、熱刺激と光刺激は異なる符号様式によって伝達され、各々に固有の忌避行動を引き起こすと考えられた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)