2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
22115011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
澁木 克栄 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40146163)
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Keywords | 視覚野 / 空間不一致 / プリズム眼鏡 / 聴覚野 / 和音 / Missing Fo / 2段階音弁別試験 / マウス |
Research Abstract |
マウスは身の回りの空間を視覚とヒゲの両方を用いて探索するので、視覚とヒゲの空間認知地図が一致する必要がある。しかし頭のサイズが増加する成長期には両者の不一致が生ずる可能性があり、不一致を補正するメカニズムがあると思われる。我々は4週齢のマウスにプリズム眼鏡装着を行い、視覚とヒゲの空間不一致を人為的に導入したところ、視覚野応答が抑圧されたが、抑圧と同時に視覚野脳地図がシフトし、空間不一致が解消されるのではないかと考えた。このため、プリズム眼鏡装着の前後で同一マウスの視覚応答の位置を精査した。その結果マウス視覚野の単眼視領域でプリズム眼鏡装着の前後で実際に視覚野脳地図のシフトが起きることを証明した。 視覚以外のメゾ回路を解析するため、聴覚野の和音に対する応答を解析している。動物のVocal communicationにおいて、鳴き声の基本周波数f0は、個体の性別・年齢・感情などを推定するのに重要な情報である。鳴き声はf0とその整数倍の倍音からなり、倍音のみ(例えば3f0+4f0+5f0)を聴いたとき、その中にf0の成分がないにも関わらず、f0を全体の複合音の高さ(Pitch)と感じることが知られ、この現象をMissing f0もしくはVirtual pitchという。我々は2段階音弁別試験で、マウスに5kHzのMissing f0を検知する能力があることを証明した。まず第一段階でマウスに2.5kHzと5kHzの純音を弁別させ、第二段階で22.5+25+27.5kHzの複合音から生じた2.5kHzのMissing f0と20+25+30kHzの複合音から生じた5kHzのMissing f0を弁別させた。その結果、純音の弁別学習がMissing f0の弁別学習に影響することを見出した。即ち純音とその周波数のMissing f0はマウスには同様に聴こえたと結論される。
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