2012 Fiscal Year Annual Research Report
Development of system identification methods of mesoscopic neurocircuitry based on multi-dimensional imaging data
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
22115012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 信 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90294280)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | システム同定法 / ベイズ推定 / 超解像 / 構造可視化 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
統計的画像処理や、ベイズ法などの大規模計算に基づく精緻なモデル同定技術を、神経系のデータ解析およびモデル化に応用することで、メゾ回路の機能発現および環境適応の原理の解明を目指すものとして、以下に注力して研究を実施している。(1)シナプス領域などの神経の微細構造を三次元再構成する神経超解像法と、神経活動に基づき回路パラメータの同定を行う神経システム同定法を開発する。(2)メゾ回路に関わる多次元データの統合によりメゾ回路機能の経時変化を追う手法の開発を進める。
(1)神経超解像法については、位置合わせを伴う三次元画像再構成法の開発を行い、覚醒マウス回路の二光子顕微鏡画像からの可視化に成功した。また、共焦点系・二光子系の三次元超解像法の開発を行い、覚醒マウス回路のデータに適用を行った。現在、これら画像の評価を行っている。神経システム同定法については、多ニューロン活動記録からニューロン間の機能的結合を同定する統計手法の開発を行った。マウス海馬培養回路のCa2+イメージングデータに適用し、手法の妥当性を示した。この成果は現在論文執筆中である。また、背景入力(例えばグリアからの入力)がある場合でも、背景入力の影響まで加味した回路同定を行う手法を開発し、同じくマウスCa2+イメージングデータに適用した。こちらについては手法に関して論文執筆中である。 (2)画像データから、シナプス候補領域と神経の配向を同定することでメゾ回路機能の変化を追う手法について、基本的なアルゴリズムの開発を行った。今後、(1)の手法と統合することで、より精度高いシステム同定法の開発へと展開する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経超解像法において、三次元画像の取り扱いに関する計算量上の問題が生じたが、アルゴリズムおよびデータ構造の工夫により解決した。また、バックアップのため計算量の少ない手法の開発も行った。当初予定していなかった問題点が生じたが、解決し、また、新しい手法の開発に展開できたことから、「おおむね順調に進展している」と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度には、神経超解像法を完成させ、覚醒マウスの系を用いて実験的評価を行う。神経システム同定法をマウス海馬培養回路系に適用し、グリア活動などの神経ネットワークに与える影響を調べる。神経軸索の計算機構のモデル化を行い、また、ショウジョウバエ感覚細胞の計測実験に基づき、樹状突起の計算機構のモデル化を進める。 H26年度には、樹状突起の計算機構のモデル化研究を継続実施し実験による検証を目指す。in vitroプルキンエ細胞のCa2+計測実験に基づき、神経細胞樹状突起の形態形成の分子レベル制御のモデル化を検討する。
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Research Products
(8 results)