Planned Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
最近、他の研究グループによって考案された新しいスパイク検出法を、我々が開発したロバスト変分ベイズに基づくスパイク・クラスタリング法と組み合わせるなどして、多細胞のスパイク分離の精度と計算速度を、著しく向上させることに成功した。この成果は現在、論文にまとめている。また、記録した神経集団の活動から、メゾ回路の構造や性質についての情報を引き出すために、集団活動の時系列パターンの特徴を検出する新しい数学的手法の構築を試みた。具体的には非線形カーネル法を用いて、多細胞の神経活動パターンにおいて、発火活動の類似性の分散が最大になる次元の検出を行った。そのような次元が特徴をもっとも良く表現していると考えられるからである。得られた手法をラットの運動野から記録した多細胞データに適用し、アーム運動と多細胞活動の特徴を関連付けることに部分的に成功した。現在、最適なパラメターの探索と、更なる方法論の修正を試みている。単一ニューロン上で、シナプスの強さはガウス分布ではなく、対数正規分布に従うことが、さまざまな実験でわかってきた。解析的計算で得られた結果と、既存のシナプス可塑性モデルを見比べることにより、対数正規分布に従うシナプス強度の分布を自己組織化する新しいスパイク時間依存の可塑性(STDP)のモデルを考案した。またそのモデルを用いて、入力の相関構造が変化した場合に、既存の可塑性モデルでは困難であった、神経回路の再学習が容易にできることを示した。現在、論文を投稿中である。視覚野の6層構造をもつ局所回路モデルを構築し、視覚的注意現象の局所回路メカニズムを数値シミュレーションなどによって解析した。このモデルは過去の実験結果を説明するのみならず、2/3層と4層の相互作用が、注意の切り替え時間を短くするために必要なことを予言した。現在、論文を投稿中である。
All 2011 2010
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (18 results)
PLoS ONE
Volume: 5 Pages: 12869-1-12869-11
The Journal of Neuroscience
Volume: 30 Pages: 13679-13689