2013 Fiscal Year Annual Research Report
SUMO化及びO-GlcNAc化によるMAPキナーゼ経路の活性制御機構と疾患
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
22117003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武川 睦寛 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30322332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 太一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教 (70396886)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
1.MEKの翻訳後修飾異常と発がん: 様々ながん遺伝子によって、MEKの翻訳後修飾(リン酸化やSUMO化など)の異常が惹起されることを見出し、さらにこれらがん遺伝子が翻訳後修飾の制御異常を惹起する分子メカニズムを明らかにした。また、MEKの異常な活性化によって発現量が大きく変化する複数の遺伝子を同定した。さらに、MEKの新規翻訳後修飾サイトに点変異を導入した遺伝子改変マウスを樹立することに成功し、このマウスが異常な表現型を示すことを証明した。 2.MAPKの新規基質の同定と機能解析: ERKによって特異的にリン酸化される新たな基質分子として、機能未知の新規分子を同定した。生化学的な解析から、この新規基質分子が核内で転写制御複合体の形成および機能を調節しており、ヒストンの翻訳後修飾を変化させて、特定の遺伝子の発現調節に重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、マイクロアレイ解析を行って、この新たなシグナル伝達システムによって制御される遺伝子群を網羅的に同定した。さらに複数の癌細胞においてこの基質分子の機能異常が観察されることを明らかにした。また併行して基質分子の遺伝子破壊マウスを作成した。 3.O-GlcNAc化による細胞内シグナル伝達の制御: 細胞内でO-GlcNAc化され得る蛋白質を網羅的に同定する新たな実験法を開発してスクリーニングを実施し、複数のシグナル伝達分子が細胞内でO-GlcNAc化されることを見出した。また、一部の分子に関しては修飾されるアミノ酸残基を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MAPKシグナルの新たな制御機構として未知の翻訳後修飾を同定すると共に、MAPキナーゼの新規基質分子やターゲット遺伝子を同定することに成功した。また、翻訳後修飾サイトに変異を持つノックインマウスや新規基質分子の遺伝子破壊マウスを樹立した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた知見を基に、SUMO化、O-GlcNAc化、リン酸化、酸化などの翻訳後修飾によるMAPK経路の制御機構を分子レベルで解明すると共に、細胞運命決定におけるMAPKの役割を明らかにする。また昨年度までに実施した複数のスクリーニング実験から得られた新規分子の機能を詳細に解明すると共に、遺伝子改変マウスを樹立して発生・分化や疾患発症における役割を明らかにする。
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Research Products
(20 results)