2014 Fiscal Year Annual Research Report
SUMO化及びO-GlcNAc化によるMAPキナーゼ経路の活性制御機構と疾患
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
22117003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武川 睦寛 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30322332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 太一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教 (70396886)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | MAPキナーゼ / 翻訳後修飾 / がん / ストレス顆粒 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト細胞には、主に細胞増殖に作用するERK経路とストレス応答に関与するp38/JNK経路という、複数のMAPキナーゼ経路が存在する。これらMAPK経路の制御異常が、癌や自己免疫疾患などの発症に深く関与する事が知られている。しかしながら、MAPK経路の活性制御機構や、疾患における制御異常の詳細には不明な点が数多く残されており、その解明は疾患克服の観点からも重要である。これまでの研究において我々は、ERK経路のMAPKKであるMEKが、細胞内でユビキチン様分子SUMOによって翻訳後修飾されること、さらにその結果、MEKとその基質であるERKとの分子間結合が阻害されて、ERKの活性化が抑制されることを明らかにした。また、ヒト癌で高率に遺伝子変異が認められる癌遺伝子Rasが、MEKのSUMO化を阻害してERK経路を強く活性化し、発癌を招くことを明らかにした。今年度は、MEKに関する研究をさらに推し進め、先天性Ras-MAPK症候群や孤発性癌で見出されるMEK遺伝子のミスセンス変異が翻訳後修飾の異常を惹起して、発癌や癌細胞の抗癌剤抵抗性獲得に寄与することを見出した。 またMAPKの新たな基質分子として、ERKによってリン酸化される新規分子MCRIP1を同定することに成功し、MCRIP1がEカドヘリン遺伝子の発現を調節する事で上皮間葉転換の制御や癌の転移に関与する事を明らかにした。さらにMAPK経路の活性制御に関わる複数の分子が、細胞内でグリコシル化されていることを見出した。 一方で、ストレス応答MAPK経路の制御に関わる「ストレス顆粒」に関しても研究を展開し、数理生物学研究者と共同して、ストレス顆粒形成の基本原理を数理シミュレーションにより明らかにした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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