2011 Fiscal Year Annual Research Report
直鎖状ポリユビキチン化修飾による新たなNF-κB活性化機構と病態との関連
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
22117006
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
徳永 文稔 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00212069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 亮 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10445025)
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Keywords | タンパク質 / 酵素 / 細胞・組織 / ユビキチン / 免疫 / 炎症 |
Research Abstract |
我々は、新規直鎖状ポリユビキチン鎖を生成するユビキチンリガーゼ複合体LUBACを同定し、LUBACが生理的には古典的NF-κBシグナル制御に重要な役割を果たすことを見いだした。本年度の研究で我々は、HOIL-1LとHOIPという2つに加えて、LUBACの新規サブユニットとしてSHARPINを同定した(Nature,2011)。さらに、SHARPIN欠損マウスは重篤な慢性皮膚炎を発症するが、この原因がLUBAC複合体の減少に伴うNF-κB活性化の低下に起因することを明らかにした。また、癌細胞におけるLUBACの役割を解析し、LUBACは骨肉腫細胞の肺転移に関わることを報告した(Int.J.Oncl.,2012)。加えて、LUBACの構成サブユニットの構造解析にも着手した(Biomol.NMR Assign.,in press,EMBO Rep.,in press)。特に、新学術領域研究において我々は、LUBACによるNF-κBを負に制御する脱ユビキチン化酵素としてA20とCYLDを同定した。CYLDは直鎖状ユビキチン鎖を分解することでLUBACを抑制していたが、A20は直鎖状ユビキチン鎖を分解できないにも拘わらず、LUBACに対して抑制効果を示した。その原因として我々は、A20のC末端7番目のzinc fingerドメイン(ZF7)が直鎖状ユビキチンに特異的に結合することが重要であることを見いだし、A20 ZF7と直鎖状ユビキチンとの構造基盤を解明している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
LUBACを制御する脱ユビキチン化酵素として、A20とCYLDを同定するとともにA20 ZF7と直鎖状ユビキチンとの共結晶構造を解明し、当初の計画より早く、現在Nature Structure&Molecular Biology誌に投稿中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画を早めて、新規脱ユビキチン化酵素や直鎖状ユビキチン結合タンパク質のスクリーニングに取りかかる予定である。
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