2014 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳後修飾によるシグナル伝達制御とその破綻に起因する疾患の数理モデル
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
22117008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 一寿 東京大学, 医科学研究所, 特任教授 (20343626)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞シミュレーション / NF-kB / 核移行 / 振動 / ストレス顆粒 / 反応拡散 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)NF-kBの振動パーターンが、核膜輸送によって制御されるメカニズムを明らかにした。数理モデルには4種の核膜輸送、即ち①NF-kBの核内移行、②IkB:NF-kB複合体の核外移行、③IkBの核内移行(速度定数tp1)、④mRNAの核外移行(速度定数k3)が存在する。sensitivity解析の結果、①と②は振動パターンに殆ど影響しないが③は振動の継続性に、④は周波数に影響することを見出した。そこで④について解析を進め、k3の変化が振動の継続性だけでなく振動モードも変化させ、クリティカルなk3の値で振幅に変化のない永続振動モードになること、核がmRNAの「溜池」として機能して溜まったmRNAが一気に核外移行して大量のIkBが合成され、その結果核内NF-kBがリセットされて振動が継続することを明らかにした。③では、周波数の変化に振幅と傾きの変化が必要であるが、tp1のみがこれらを変化させることが分かった。昨年度の拡散定数の結果と合わせ、NF-kBはそれ自身の振動パターンを制御せず、IkBとmRNAの核外移行と拡散が制御するという予想外の結果を得た。 2)H26年度に構築したストレス顆粒(SG)の形成の数理モデル(Stochastic Simulation)の解析を進めた。その結果、微小管上を1D拡散するSG同士の融合がSG数の時間変化に、1D拡散方向の確率がSGの空間分布を決定することを見出した。さらにシミュレーションによってSGの大きさ分布がガンマ分布であることが予言され、実験データを解析した結果やはりガンマ分布を得た。これはSGが多くのランダム現象の集合平均として形成されるのではなく、複数のランダム現象が引き続いて連鎖的に起こる結果として形成されることを示しており、微小管上でのSG同士の融合との関連で意義ある結果を得た。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)