Planned Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
胎児肝臓の造血環境マウス胎児肝臓細胞を細胞種毎に分類し造血因子の発現を調べた結果、SCF, TPO, EPOはDLK1陽性の肝芽細胞で強い発現が認められた。次に、肝臓における造血ニッシェに関する位置情報を得るために、免疫染色を行なった。その結果、EPOは肝辺縁部で強いシグナルが認められ、共染色によりp75NTR陽性細胞がEPOを発現していることが示された。SCFの受容体であるc-Kitを発現する造血細胞は肝臓全体に存在していた。一方、赤芽球の分化状態およびその分布をCD71とTER119の免疫染色およびFACSにより解析した結果、肝中心部ではCD71+TER119+の未分化な赤芽球が多く、肝辺縁部ではTER119+のより分化の進んだ赤芽球が多く認められた。このことから、肝辺縁部のEPOの発現が赤芽球造血に寄与する可能性が示唆された。成体肝臓における造血環境因子肝常在マクロファージであるKupffer細胞はF4/80強陽性細胞としてFACS上で確認され、塩化ガドリニウムの投与により減少し、3日後には回復した。塩化ガドリニウム投与後、GFPマウスの骨髄細胞を移植して経時的にFACS解析を行なった結果、GFP陽性細胞は回復したKupffer細胞にはほとんど寄与しないことが分かった。以上の結果から、Kupffer細胞の回復には骨髄中の未分化な前駆細胞が直接的に寄与するというよりは、残存Kupffer細胞が増殖またはケモカイン等により骨髄から動員された前駆細胞が寄与する可能性が示唆された。
All 2011 2010
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)
J Biochem.
Volume: 149 Pages: 231-239