2012 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on microenvironment that regulates hematopoietic cells
Project Area | Molecular mechanisms of cell fate determination in the cells that undergo stepwise differentiation to multiple pathways |
Project/Area Number |
22118006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮島 篤 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (50135232)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発生 / 幹細胞 / ニッチ / サイトカイン / 骨髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は胎児肝臓の中皮が様々なサイトカインを産生していることを見いだしており、胎児肝中皮組織の肝造血に対する作用を検討する。マウス胎児肝臓から細胞膜タンパク質の発現を指標にしてセルソーターにより胎児の中皮前駆細胞および肝芽細胞をそれぞれ分離してサイトカインの発現解析を行い、造血幹細胞との共培養系にて造血機能を解析した。 肝前駆細胞であるHepatoblastsがSCF, TPOなどの産生により造血前駆細胞の増殖を促進するのに対して、肝臓表面のsubmesothelial cellsがEpoを高発現し赤血球造血に関与することを明らかにした。さらに、貧血を誘導した成体肝臓においても、間葉系細胞がEpoを産生することを見いだした。このように、肝臓での赤血球産生における間葉系細胞の重要性が明らかになった。また、肝臓のマクロファージ、樹状細胞、NK細胞などを分離して、それらの細胞集団を解析した結果、従来クッパー細胞と考えられていたF4/80陽性細胞集団には、好酸球などが含まれることが明らかになった。NK細胞においても新たな亜集団の存在が示された。 オンコスタチンM(OSM)は成体の骨髄で強く発現する多機能性サイトカインであり、OSM KOマウスでは、骨髄中の造血前駆細胞の減少や貧血が知られていた。今回我々は、OSMは骨髄中で間葉系幹細胞に作用し,その脂肪細胞への分化を抑制することで骨芽細胞への分化を促進し,造血ニッチの形成と環境の維持に寄与していることを示す結果を得た。また、OSM KOマウスは、加齢またはブスルファンによる骨髄抑制下で脂肪髄化と貧血が進行することから、再生不良性貧血のモデルになると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝臓における造血における間葉系細胞の機能が明らかにされて、肝臓における造血メカニズムに新たな視点を加えられた。骨髄造血におけるニッチ細胞に対するオンコスタチンMの作用が明らかになった。肝臓の免疫系細胞集団の解析が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
オンコスタチンM欠損マウスを使って、骨髄での造血制御機構をさらに詳細に明らかにする。また、肝臓における造血支持機構をさらに詳細に解明する。肝臓に存在する免疫系細胞の実態が十分理解されていない。例えば、肝在住マクロファージであるクッパー細胞はF4/80陽性細胞と従来から考えられていたが、実際にはF4/80陽性細胞は複数の細胞集団からなることが示されたので、これらの細胞の生理的な意味を明らかにする必要がある。
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Research Products
(13 results)