2013 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓における造血細胞の運命決定に関わる環境因子の解析
Project Area | Molecular mechanisms of cell fate determination in the cells that undergo stepwise differentiation to multiple pathways |
Project/Area Number |
22118006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮島 篤 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (50135232)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 造血 / 肝細胞 / 骨髄 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度にはOncostatin M受容体欠損マウスの繁殖が遅れたので、一部の実験を平成26年度に繰り越した。その結果、十分な数のマウスが揃えられて研究は無事終了した。成体マウス骨髄中の造血環境をオンコスタチンM(OSM)欠損マウスおよびOSM受容体欠損マウスを用いて行った。また、種々の骨髄抑制や加齢に伴う骨髄環境の変化を解析した。骨髄抑制に対するOSMの投与による骨髄環境の改善効果を検討した。これらの実験により、骨髄内において, OSMは間葉系幹細胞(MSC)に作用し,脂肪細胞分化を抑制することで骨髄造血環境の形成に寄与することが示された。骨髄内に存在する脂肪細胞は,造血を負に調節することが報告されていることから,OSMは骨髄における脂肪細胞分化を抑制することで造血の維持にも貢献している可能性が考えられる.さらに、OSMは骨髄 MSCの骨芽細胞への分化を促進するだけでなく,骨芽細胞としての終末分化を抑制する可能性が示された。このように、OSMは骨髄中のMSCに作用してその造血支持能を制御している様子が明らかになった。本研究成果の一部はPLoS Oneに発表した。また、成体肝臓において障害を誘導した際の、マクロファージ、NK細胞、好酸球など免疫系細胞の動態と機能の解析も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成体骨髄中の造血環境をオンコスタチンM受容体欠損マウスおよび種々の骨髄抑制を行い解析すること、および髄外造血の影響を排除するために、脾臓摘出マウスを使い、骨髄造血を解析することを計画しており、研究を実施したが、平成25年度にはOncostatin M受容体欠損マウスの繁殖が遅れたので、一部の実験を平成26年度に繰り越した。 成体マウスの肝臓でIL-4を発現すると特殊なNK細胞集団が現れることを見いだした。
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Strategy for Future Research Activity |
OncostatinM受容体欠損マウスを用いて、Oncostatin Mの骨髄造血における機能をin vivoおよびin vitroの実験系にて検証し、論文にまとめる。 また、成体肝臓の障害におけるマクロファージ、NK細胞、好酸球など免疫系細胞の動態と機能を解析する。特に、成体マウスの肝臓でIL-4を発現した時に、現れる特殊なNK細胞集団の解析を行う。
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Research Products
(16 results)