2012 Fiscal Year Annual Research Report
Study of internode elongation in deepwater
Project Area | Integrated analysis of strategies for plant survival and growth in response to global environmental changes |
Project/Area Number |
22119007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
芦苅 基行 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (80324383)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イネ / 節間伸長 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)浮きイネ第1染色体に座乗するQTLの同定の試み 第1染色体に座乗するQTLを同定するために、高精度連鎖解析を行い、QTL座乗領域を180kbに特定した。この領域に座乗する候補遺伝子の発現解析を行い、深水依存的に発現が上昇するGA20酸化酵素遺伝子(GA20ox2)を見いだした。このGA20ox2はマイクロアレイを用いた浮きイネの発現解析においても、深水依存的に発現が上昇する遺伝子として明らかになっていた遺伝子の1つであった。続いて、浮きイネ(C9285)と非浮きイネの(T65)のGA20ox2のアミノ酸配列を比較したところ、コーディングに2つのアミノ酸変異があることが明らかになった。GA20ox2はGA53からGA20までの3ステップを触媒するが、浮きイネが保持するGA20ox2タイプは、T65が保持するGA20ox2タイプに比べ酵素活性が約5倍高いことが明らかになった。さらに、浮きイネでは深水依存的にGAが蓄積することが見いだされた。また、GA20ox2の発現がエチレンで誘導されること、トランジェントアッセイ系を用いた実験から、エチレン情報伝達因子のEIN3が直接GA20ox2の発現を制御している可能性が示唆された。 2)浮きイネ第3染色体に座乗するQTLの同定の試み 第3染色体に座乗するQTLを同定するために、深水処理による高精度連鎖解析を行い、QTL座乗領域の特定を試みたが、毎回結果がぶれ深水処理による連鎖解析を断念した。新しいアッセイ系を探査するなかで、第3染色体に座乗するQTLがGA反応性をより高感度にしていることを見いだした。そこでGA反応性を目安に連鎖解析を進め座乗候補領域を27kbに特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトの最大の目標であるQTLの同定が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
浮きイネの深水依存的な節間伸長を制御する第1染色体、第3染色体QTLのポジショナルクローニングをすすめ候補遺伝子を見いだす。その後、形質転換植物を作成し、相補性検定を行うことで、最終的にそれぞれのQTLを同定する。分子生物学的手法や生化学的手法を用いてQTLの機能を明らかにする。 また、浮きイネの深水依存的な節間伸長を制御するSK1, SK2遺伝子の分子メカニズムの解明を進める。特に、エチレン反応性因子であるSK1, SK2についてエチレン情報伝達において、どの部分で作用するかを明らかにする。具体的には、EIN3とSK1, SK2とのトランジェントアッセイを行う。 植物ホルモンとの関連性についての調査 まず植物ホルモンの定量を行う。また浮きイネにGA合成阻害剤存在下し、詳細に伸長反応を観察する。さらに、GA合成変異体や情報伝達変異体との交雑系統における深水での節間伸長性を調査する。 浮きイネ遺伝子ネットワークの解析:浮きイネ性品種と一般的な品種の交雑に由来するRIL約190個体を深水処理し、節間伸長を調査するとともに、節からRNAを抽出後、マイクロアレイ解析を行う。発現している遺伝子についてねっとワーク解析を行い、浮きイネ特異的遺伝子と関連のある遺伝子を見いだす。
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