Planned Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
平成22年度は分裂組織の維持に関わる転写因子がサイクリン依存性キナーゼ(CDK)によりリン酸化制御を受けることを示す結果を得た。また、その他にもCDKの基質となり得る転写因子を複数個同定することに成功した。一方、エンドサイクルへの相転換機構については、エンドサイクル開始時に発現を始めるCCS52A1遺伝子に着目し、そのプロモーター領域を順次5'側から欠失させた変異型遺伝子を作成して、その発現パターンに影響を与えるプロモーター配列を同定した。その結果、2カ所のシス制御領域を見出すことができた。エンドサイクルへの相転換はDNA二重鎖切断によって誘導されるが、その際の遺伝子発現応答について網羅的に解析したところ、オーキシン関連遺伝子の発現が有為に変動していることを見出した。この結果はDNA損傷応答とオーキシンシグナルがクロストークしていることを示唆するものであり、大変興味深い。ところで、組織内で細胞周期進行をモニタリングするためにはG1/S期マーカーが必須であることから、その候補遺伝子としてCDT1aに注目して解析を進めてきた。これまでにCDT1aのC末側領域がS期後期でタンパク質分解を誘導することが明らかになっていたので、今年度はCDT1aのプロモーターとC末側領域をGUSまたはGFPと融合して、発現様式の解析を行った。その結果、根の同じ細胞列で数個の細胞に渡って連続して発現する様子が伸長領域を中心に観察された。しかし、分裂領域における発現レベルが低く、マーカーとして使用するためには、プロモーターを別の遺伝子のものに変更する必要があると考えられた。
All 2010
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)
Plant Cell Rep.
Volume: 29 Pages: 307-315