2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Environmental sensing of plants: Signal perception, processing and cellular responses |
Project/Area Number |
22120008
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Research Institution | 株式会社日立製作所(研究開発本部) |
Principal Investigator |
神原 秀記 株式会社日立製作所(研究開発本部), 研開, フェロー (20397011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶山 智晴 株式会社日立製作所(研究開発本部), 中研, サブリーダ/主任研究員 (50573044)
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Keywords | 単一細胞解析 / 遺伝子発現 / 遺伝子定量解析 / 植物組織 / 定量PCR / cDNAライブラリ / 組織採取 |
Research Abstract |
植物組織を対象とした、1細胞レベルの複数遺伝子定量発現解析技術を開発している。植物組織の遺伝子発現解析では、以下の課題が存在する。 (1)植物組織は細胞が細胞壁に囲まれており、細胞質の抽出のためには細胞壁を破壊する必要がある。 (2)植物細胞は、細胞内に核酸分解酵素を多く含んだ液胞が存在し、小さな刺激でも細胞内で浸潤することがあり、細胞質内の遺伝子分解が起こりやすい。 そこで、本年度は、以下の技術開発を行った。 1.微小切片の高速採取法及びcDNAライブラリー作製法を開発した。微小切片の高速採取法は、内径0.13mmのニードルを加工した採取手段を用いる。シロイヌナズナの子葉を用いた実験では、直径約150μm、質量約2μgの細胞切片を、採取から凍結まで1分以内に完了できることを確認した。また、採取した微小切片をPCRチューブ(200μl)に移した後、チューブ内で細胞破砕,mRNA抽出,及び逆転写反応を実施し、磁性ビーズ上にcDNAライブラリーを作製する。これらの手法について、特許出願を行った。 2.昨年度開発した洗浄装置について、洗浄廃液からの汚染回避および不具合発生時のメンテナンス性向上のため、洗浄液流路(細管)の高さ調整機能と廃液逆流防止対策を新たに開発した。その知見については、特許出願を行った。 3.長谷班と連携し、シロイヌナズナの光応答遺伝子の部位特異的解析技術を検討した。具体的には、6種の光応答関連遺伝子(TAA1(AT1G70560), PIF4(AT2G43010), ATHB2(AT4Gl6780), HFR1(AT1GO2340), IAA19(AT3G15540), GH3.3(AT2G23170))の定量PCR解析用プローブを設計した。さらに、この6種の光応答関連遺伝子と、コントロールのTUB2(AT5G62690)の計7種について、繰り返し定量PCR解析が可能な解析手順を定めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2011年度までに、繰り返し定量PCR解析のための洗浄技術、植物組織採取技術、および組織からのcDNAライブラリ合成技術を開発した。この結果、他の研究班が遺伝子発現解析を実施することが可能となり、最初の例として、長谷研との連携を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、開発技術について、他の班での活用・研究応用を推進する。また、解析数、スループットおよび解析精度の向上のため、植物組織採取システムを開発する。
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