2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
22121002
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
箱嶋 敏雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00164773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 正規 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70346310)
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Keywords | 構造生物学 / 分子生物学 / 生化学 / タンパク質 / 相互作用 |
Research Abstract |
1.動物細胞のシグナル検知と伝達制御 運動の方向決定に関与するmyosin-Xについて,積荷認識ドメイン(MyTH4-FERMドメイン)と積荷の一つであるDCCとの複合体の構造解析に成功し,結果を論文発表(EMBO J. 2011)した.又,細胞のメカノセンサーとしてのα-cateninとvinculinとの張力依存的な特異的相互作用を説明可能な複合体の構造決定に成功した. 2.植物細胞のシグナル検知と伝達制御 ストリゴラクトン(SL)の受容体候補であるD14の構造研究では,平成23年11月の結晶データ収集の結果,期待していたデータが得られなかったので,再度,高分解能結晶作成を行う必要が生じ,平成24年12月まで延長して実験を進めた.又,SL受容体候補類似タンパク質D14Lはカリキン(KAR)の受容体候補であることが最近示されたが,その構造解析に向けて調製を試みた.又,結晶化条件の改善の為,ホルモンと受容体の相互作用を解析した.熱量計ITC200をフル稼働で使用し,SLのアゴニスト化合物であるGR24とGR5,またKARのKAR1との定量的な結合の強さを測定すると共に,複合体結晶作成を試みた. これらの実験で得た有望結晶で,SPring-8でのX線強度データ収集を平成24年の春から夏に試みた.その結果,高分解能(1.5Å~1.2Å)のX線強度データを複数の結晶から収集できた. そのデータの構造解析を試みた結果,D14とD14-PMSF(阻害剤),D14Lの構造決定に成功し,その基本構造や活性部位の詳細を解明できた.一方,D14とGR24やGR5,D14LとKAR1との複合体と期待された結晶では,これらのホルモンアゴニストに相当する電子密度を同定することはできなかった.これらは,D14やD14Lの酵素としての活性によって分解した可能性が考えられた.この点は今後の課題となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,1.動物細胞のシグナル検知と伝達制御と,2.植物細胞のシグナル検知と伝達制御の研究を推進してきた.両研究課題おいても,平成22年度と平成23年度の2年間で,約半数の構造決定の成功しており,予定よりも速いペースで研究が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に進んでいるので,引き続き,これまで通りの体制,本研究の始動期に形成した体制である博士研究員1名,研究員3名,技術補佐員1名,ならびに連携研究者である助教1名と大学院生14名(博士課程3名,修士課程9名),で推進していく.
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Research Products
(30 results)