2010 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル抑制因子CBLの分子複合体構造と病因変異の解析
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
22121008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲垣 冬彦 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 特任教授 (70011757)
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Keywords | PI / ナノディスク / エフェクタータンパク質 / FYVEドメイン / PH / PX |
Research Abstract |
細胞内タンパク質のトラフィッキングや細胞内シグナル伝達にはphosphoinositide(PI)とエフェクタータンパク質との相互作用が重要な役割を果たしている。しかし、PIは膜に埋もれているため、エフェクターとの相互作用を定量的に解析する方法がなかった。我々は水溶性の膜モデルとしてナノディスクに注目し、ナノディスクに埋め込んだPIとエフェクタータンパク質との相互作用を明らかにする系を作った。脂質二重膜の側端を両親媒性ヘリックスよりなるmembrane scaffolding protein(MPS)で覆うことにより、サイズのそろった水溶性のナノディスクを構築した。ナノディスク内部に1分子のPIを埋め込み、FYVE,PH,PXドメイン等のエフェクターとの相互作用を解析する系を作った。まず、定性的な結合を評価するため、ナノディスクに埋め込まれたPIとGST融合エフェクタータンパク質との複合体をGST-pulldownによりおとすとともに、MPSに付けたHis-tagに対するウエスタンブロットによりエフェクターとPIとの結合を検出した。従来の方法に比較して再現性高く結合を検出できることを示した。さらに、エフェクターに蛍光ラベルを付け、ナノディスクとの結合を蛍光偏光解消法により測定した。このようにして、PIとの結合を定量的に評価できることを示した。次いで、PI結合によるエフェクタータンパク質の化学シフト変化よりPIとの結合面を同定した。以上、ナノディスクを用いることにより、定性的、定量的、更にPIとの結合様式を解明できることを示した。
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Research Products
(13 results)