2013 Fiscal Year Annual Research Report
ライブイメージングによる血管-神経ワイヤリングの誘導・維持機構の解明
Project Area | Vasculo-neural wiring and their interdependent crosstalk |
Project/Area Number |
22122003
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
望月 直樹 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (30311426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 洋行 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究員 (10467657)
福井 一 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究員 (80551506)
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Project Period (FY) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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Keywords | 血管 / 神経 / イメージング / ワイヤリング / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
形態形成時には、臓器への酸素供給と神経支配をそれぞれ制御するためのネットワークとして血管-神経が並行して構築される現象(伴走)が見出されている。この伴走の成立機構ならびに分子生物学的な相互作用のメカニズムの解明には至っていない。経と血管同時 可視化を単一個体で行えるゼブラフィッシュを用いて伴走部位の同定と伴走成立機構を解明する。 大動脈とその直下に伴走する運動神経を見出した。大動脈はvascular endothelial growth factorCを分泌し、運動神経はその受容体であるVEGFR3を発現することがこの伴走に不可欠であることを、優勢劣勢変異体の発現で確認した。 これ以外に、ゼブラフィッシュの脂肪細胞への交感神経と血管の併走について調べた。交感神経幹から脂肪細胞への走行をtysosine hydroxylaseの抗体で緑色蛍光陽性となるように染色し、血管内皮細胞が赤色蛍光となるトランスジェニックフィッシュで血管と交感神経の走行を検討した。交感神経の一部が、血管への神経投射をしながら(vascular innervation)抹消にむかい、血管を離れた後も脂肪細胞にむかって走行していくことがわかった。この両者の併走については分子メカニズムは解明できていないが、vascular innervationから、平滑筋細胞あるいは、周細胞がなくなった血管では、交感神経が血管から離れてあらたな走行を示すことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでに、①parachordal vesselと側線(神経)②大動脈弓部にaa1-aa6に伴走する神経③大動脈とその腹側の運動神経 ④pectral finと血管など様々な部位での血管と神経の併走部位をゼブラフィッシュ生体で見出してきた。とくにイメージングにより、時間的空間的配置を捕らえることで、どちらが先行して形成されるかも突き止めることができ、両者の相互作用を捕らえること、どちらがガイドするかも把握できた。その中で③については、これまでneurovascular guidanceシグナルとして認知されていなかったVEGF-C/VEGFR3シグナル系が両者の併走にとって不可欠であることを示すことができた。 さらに、最終年度にむけて、脂肪組織への血管と神経支配を考えて両者の機能的な配置についてワイヤリングの形成過程を明らかにしてその両者の併走の意義を捉えようとしている。すでに、両者の併走部位と併走の生理的意義についても仮説にしたがって、実験を進めており、研究遂行可能な段階になっている。 本研究では、神経全般、運動神経、交感神経などを特異的に可視化するトランスジェニックフィッシュとともに、血管系も血管全体の内皮細胞、動脈内皮細胞、静脈内皮細胞、リンパ管内皮細胞をそれぞれ可視化するトランスジェニックフィッシュを得たことも本件急を推進する大きな力となった。
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Strategy for Future Research Activity |
交感神経の走行に関してはtyrosine hydroxylaseプロモーターによりGal4を発現させ、reporterに14xUAS下流にEGFPを発現する個体を作製してより明るい蛍光を交感神経で発現させるトランスジェニックフィッシュを用いて血管の構築との同時観察を行えるようにする。さらに、交感神経活性化を可視化するために、レポーターとしてPKA活性のモニターリングプローブを発現する個体を作製して、トリカイン麻酔下で、安静時の交感神経活性を検討する。また、同様にレポーターとしてCa2+イオンの増減を可視化できる、GCamp7をUASの下流で発現する個体(遺伝学研究所、川上浩一博士より、供与していただいた)を用いて同様に安静時の交感神経活性を検討する。 脂肪に関しても脂肪分解が交感神経活性と相関があるかを検討するために、脂肪細胞特異的なプロモーターを用いてPKAプローブを脂肪細胞に発現させて調べる。この際には、PKAプローブがCFP-YFPからなるFRET-based プローブなので、交感神経の活性化の可視化にはRCamP(赤色蛍光)をプローブとして発現する個体を作製して検討する。 vascular innervation している交感神経活性化と血管収縮についても、血管径と交感神経活性化の相関を調べたいと考えている。これにより、神経ー血管、脂肪についての生理的制御機構を明らかにしたい。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] The parallel growth of motoneuron axons with the dorsal aorta depends on Vegfc/Vegfr3 signaling in zebrafish.2013
Author(s)
Kwon HB, Fukuhara S, Asakawa K, Ando K, Kashiwada T, Kawakami K, Hibi M, Kwon YG, Kim KW, Alitalo K, Mochizuki N.
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Journal Title
Development
Volume: 140
Pages: 4081-4090
Peer Reviewed
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[Journal Article] Angiopoietin-1 Guides Directional Angiogenesis Through Integrin αvβ5 Signaling for Recovery of Ischemic Retinopathy.2013
Author(s)
Lee J, Kim KE, Choi DK, Jang JY, Jung JJ, Kiyonari H, Shioi G, Chang W, Suda T, Mochizuki N, Nakaoka Y, Komuro I, Yoo OJ, Koh GY
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Journal Title
Sci Transl Med.
Volume: 18
Pages: 203ra127
Peer Reviewed
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