2014 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期大脳新皮質神経幹細胞による多様な細胞の産生機構の解析
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
22123003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 由季子 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (70252525)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳は、神経幹細胞が非常に様々な種類の細胞を必要な数、必要な場所で産む事で作られる。例えば大脳新皮質の神経幹細胞は、まず6層→5層→4層→2/3層のニューロンを産み出し(ニューロン分化期)、次にアストロサイトを産む(グリア分化期)。それでは、時間情報に従って神経幹細胞の分化運命はいかなるメカニズムで制御されているのだろうか? 我々はこれまでに、ポリコーム群因子(PcG)が大脳皮質発生の後期においてニューロン分化誘導遺伝子Neurog1等のクロマチンを抑制状態にし、ニューロン分化期を終了させることを報告した(Hirabayashi et al.Neuron 2009)。そこで、PcGが神経幹細胞のニューロン分化期中の運命転換にも関与している可能性を検討した。5層の皮質外投射ニューロンの運命決定にはFezf2という転写因子が重要な役割を果たしている。我々は、各発生時期の大脳新皮質から神経幹細胞を単離し、Fezf2遺伝子座においてPcGにより修飾されるヒストンH3K27me3量を調べた所、丁度Fezf2の転写が終了する時期(ニューロン分化期後期)にH3K27me3量が上昇することを見いだした。またPcGの重要な構成因子Ring1Bノックアウトを行ったところ、ニューロン分化期後期におけるFezf2の発現低下が抑制された。従って、PcGがFezf2を時期依存的に抑制していることが示唆された。更にRing1Bノックアウトにより5層皮質外投射ニューロン産生期が延長することが明らかになった。従って、PcGがちょうど良いタイミングでFezf2の発現を抑制することで、5層皮質外投射ニューロンの産生が終了することが示された(Morimoto-Suzuki et al.Development 2014)。さらにゲノムワイドなH3K27me3総合パターンの解析を行い、発生時期の退行に伴ってFezf2遺伝子座におけるH3K27me3ドメインの拡大が観察された(未発表)。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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