2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
22123004
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
島崎 琢也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00324749)
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Keywords | 神経幹細胞 / 神経細胞 / グリア / 分化 / 転写因子 / Coup-TFI/II / NFIA / miRNA |
Research Abstract |
Coup-TFI/IIの下流で発現が制御されている機能遺伝子群の同定 マウス胎仔期の神経幹細胞において、Coup-TFI/II等の転写因子がその下流遺伝子の発現をどのように調節し、時期依存的な神経・グリア細胞分化のスイッチングや神経細胞のサブタイプ形成を制御しているかを解明することを目的として、Coup-TFI/IIの下流遺伝子の候補のマウスES細胞分化系を用いた機能解析、すなわち、初期型神経幹細胞および後期型神経幹細胞におけるレンチウイルスベクターを用いた候補遺伝子のノックダウンおよび強制発現を行った。その結果、複数のmiRNAがCoup-TFI/IIの下流で神経・グリア細胞分化のスイッチングに関与していることを見出した。具体的には、これらの強制発現によって、神経・グリア細胞分化のスイッチングが阻害され、Tough Decoyベクターシステムを用いた機能阻害によって、初期型神経幹細胞におけるグリアの早期分化が起きた。さらに、これらのうちの1つは、グリア分化誘導因子の1つであり、発生期の中枢神経系におけるグリア分化の時期を制御していると考えられているNFIAの強制発現によって、その発現が抑制された。これらの結果は、神経幹細胞の時期依存的な分化能制御のうち、神経・グリア細胞分化のスイッチングに関しては、複数の転写因子とmiRNAが協調的に制御していることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Coup-TFI/IIの下流で神経幹細胞発生における神経・グリア細胞分化のスイッチングの制御に関与している遺伝子を複数発見できている。
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Strategy for Future Research Activity |
Coup-TFI/IIの下流に存在するmiRNAの標的遺伝子の同定を行う。また、これまで同定した下流遺伝子がCoup-TFI/IIの直接の標的である証拠は得られておらず、引き続き標的遺伝子の探索を行う。探索の効率化を行うために、Coup-TFI/IIの遺伝子ノックダウンを、様々な発現レベルで様々な領域特異性を与えたマウスES細胞由来神経幹細胞、あるいはマウス胎仔の様々な領域の神経幹細胞の様々な時期で行い、DNAマイクロアレイによる遺伝子発現プロファイリングのデータベースを作成し、統計学的解析を行う。
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