2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
22123009
|
Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
山森 哲雄 基礎生物学研究所, 脳生物学研究部門, 教授 (80260206)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 泰雄 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (40169694)
木津川 尚史 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (10311193)
|
Keywords | 大脳皮質領野 / 遺伝子発現 / 視覚野 / 連合野 / 層 |
Research Abstract |
以下の成果を上げた。 (1)RLCS解析によって得られた遺伝子の一つは、霊長類視覚野において、視覚野への投射が始まる胎生80日に、既に視覚野特異的発現パターンを示す。他の成熟霊長類視覚野特異的発現遺伝子(OCC1,5HT1B,5HT2等)は、いずれも、誕生時にある程度発現が見られるもののその発現は、生後発達に伴い急速に増加し、基本的に生後活動入力によって制御されているので、この遺伝子の機能解明は、霊長類一次視覚野の形成機構を解明するのに貢献できると考え、マウス相同遺伝子のfloxラインの作成に着手した。 (2)霊長類視覚野特異的発現遺伝子の発現制御機構を解明するため、Spatz Brain Res. 488 : 376-380, 1989等のマーモセット視覚野における最初期遺伝子(immediateearlygene)の実験条件を基礎に、TTX片眼注入、暗闇2日間後に、光を照射し、一次視覚野に於ける眼優位性カラムでの健常眼カラムとTTX注入眼カラムにおける発現を比較する系を立ち上げた。 (3)連合野特異的発現遺伝子群(RBP,PNMA5,SPARC,SLITs)が,連合野神経細胞の樹状突起の形態とスパイン形成を制御するという仮説に基づいて研究を進めている。当該年度は、マーモセットの一次視覚野と連合野の錐体細胞にルシファーイェローを注入して、Elston等がマカカザルの大脳皮質で報告しているのと同様、連合野では樹状突起の枝張りが豊かで、スパインの数も多いことが分った。 (4)層特異的遺伝子発現の系では、Sema3EとPlexinD1の層構造に於ける相補的発現の意義を解明するため、ノックアウトマウスを用いて、機能的な意義の解明を始めた。 (5)共同研究者の木津川と協力して、ラットのWheel running systemの改良を行った(タッチセンサーによる走行中のペグへの接地状況の正確な把握)。
|
Research Products
(9 results)