2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecular mechanisms underlying reconstruction of 3D structers during regeneration |
Project/Area Number |
22124002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿形 清和 京都大学, 理学研究科, 教授 (70167831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 武 京都大学, 理学研究科, 助教 (40391867)
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Keywords | 再生 / イモリ / 四肢 / 再生シグナル / トランスジェニック |
Research Abstract |
1.イモリの四肢再生過程における基礎データの蓄積 平均リード長が500bpから800bpへバージョンアップ次世代シークエンサーを用いて、イモリ四肢再生の0日目、5日目(再生芽形成期)、10日目(パターン形成期)の網羅的なトランスクリプトーム解析によって、再生に関与する遺伝子の基礎データベースを構築した。また、FGFシグナル関連、Wntシグナル関連、Shhシグナル関連、Dachsous/Fatシグナル関連遺伝子の発現パターンについてもリアルタイムPCR解析を行い、網羅的データとしてデータベース化を行った。 2.イモリの四肢再生過程におけるERKシグナルの役割の解明 昨年に引き続き、mkp3遺伝子のプロモーターを使ったERKシグナルを可視化できるトランスジェニック・イモリを作成した。しかし、幼生の四肢発生時にはERKシグナルを検出できたものの、変態後の四肢再生時ではバックグランドシグナルが強くてはっきりした解析ができなかった。そこで、GFPではなくmCherryにコンストラクトを作りかえ、来年度からこちらのコンストラクトに切り替えることにした。また、変態後のイモリの飼育を可能にする飼育施設の充実を図った。ERKシグナルの検出をリン酸化抗体で検出することについても行った。レンズ再生時には明瞭なERKシグナルの活性化が見られ、またJNKシグナルがプラナリアの再生時に見られたのと同じく、再生に参加する細胞がG2/M期に入るときにJNKシグナルが活性化されることを見出した。 3.イベリアイモリの新規導入と飼育施設の完備 アカハライモリでは、年間で得られる受精卵の数および季節が限定される点を克服するために、多産・一年中卵が取得可能なイベリアイモリの導入を本年度末から行った。来年度からは、加速度的に実験が進められることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代シークエンサーのバージョンアップが半年遅れたこと、バージョアップ後もシークエンス試薬の発売停止が続くなど、お送りのトラブルに巻き込まれたが、イモリのシークエンスについては優先して進めたので、大きな遅れはし生じなかったのは幸いだった(他のシークエンスについては大幅な遅延となったが-)。
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Strategy for Future Research Activity |
日本産のアカハライモリは、一年間を通して受精卵を得ることができないので、どうしても遺伝子操作したイモリを作ろうとするとリミットがかかってしまう。そこで、本年度末から実験室で一年中受精卵を取得できるイベリア・イモリを導入するとともに、本格的な飼育室をセットアップした。これらの努力により、来年度より、より効率的に研究が進められるものと期待している。
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