2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecular mechanisms underlying reconstruction of 3D structers during regeneration |
Project/Area Number |
22124004
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
梅園 良彦 独立行政法人理化学研究所, ボディプラン研究グループ, 研究員 (20391881)
|
Keywords | プラナリア / 再生 / 位置情報 |
Research Abstract |
プラナリア尾部断片からの頭部再生過程におけるERKシグナル依存的な位置情報形成メカニズムを理解することを研究目的として、申請者は、DjmkpAおよびndk発現の時空間的情報に基づいて、次世代シークエンサーRoche454によるトランスクリプトーム解析をおこない、頭部再生に深く関与することが期待される候補遺伝子群415個を得た。次に、それぞれについて定量的RT-PCR解析をおこない、現在までに複数の陽性遺伝子を得ており、それらについては、whole mount in situ hybridization法による時空間的な発現解析およびRNA干渉法による機能解析を進めている。 興味深いことに、今回の解析で新たに同定したMEK kinase familyに属する1遺伝子は、構造的にはERKシグナルの上位に働くことが予想されるにも関わらず、その発現はERKシグナルによって促進され、また、RNA干渉法による機能阻害実験の結果からは、後方シグナルであるWnt/β-catenin経路に抑制的に働くことによって、頭部後方に新たに体の領域を再編成するのに重要な役割を担っていることが強く示唆された。 これらの結果から、この遺伝子は前方シグナルとして働くERKシグナルと後方シグナルとの間のバランスにバイアスをかけることによって、新たな体の位置情報を形成していることが期待され、さらなる詳細な解析を進める予定にしている。この発見は今後の研究に大いに貢献するものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プラナリア尾部断片からの頭部再生過程におけるERKシグナル依存的な位置情報形成メカニズムの理解につながる新規遺伝子の同定に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
同定した新規遺伝子はキナーゼをコードするため、その活性化を引き起こすための上位シグナルおよびリン酸化されるターゲット因子を同定する。また、トランスクリプトーム解析によって、未だndkが制御していると予想している液性の前方化因子の同定には至っていないので、NDK抗体を用いた免疫沈降法による同定を試みる。
|