2012 Fiscal Year Annual Research Report
Research of molecular logic for planarian regeneration
Project Area | Molecular mechanisms underlying reconstruction of 3D structers during regeneration |
Project/Area Number |
22124004
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
梅園 良彦 独立行政法人理化学研究所, ボティプラン研究グループ, 研究員 (20391881)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 器官再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、再生能力の高いプラナリア(ナミウズムシ)の再生過程において、次世代シークエンサーRoche454によるトランスクリプトーム解析をおこない、新規キナーゼ遺伝子の同定に成功した。興味深いことに、この遺伝子をRNA干渉法によって機能阻害すると、前後軸に沿ったからだの位置情報・プロポーションがみだれ、頭部と尾部のあいだに存在する咽頭の再生が前方化することがわかった。また、この遺伝子は前方化シグナルと後方化シグナルのバランスをとることによって正しい咽頭再生の位置を決定していることが最近、明らかになりつつある。前後軸に沿ってどのようにしてからだのプロポーションが遺伝的に決定されているかは未だ全く不明であるため、この発見は今後の研究に大いに貢献するものである。 2、プラナリアは種の違いによってその再生能力が大きく違うことが知られている。次に、頭部再生能の低いプラナリア(コガタウズムシ)を用いて、同様にトランスクリプトーム解析をおこない、網羅的な発現遺伝子の配列カタログを作製した。その配列をもとに、特定の遺伝子をRNA干渉法によって機能阻害することによって、頭部を再生できないコガタウズムシ尾部断片から世界に先駆け頭部再生を人為的に誘導することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
再生能力の高いプラナリア(ナミウズムシ)を用いることによって、再生の新たなパラダイム"distalization intercalation" の実験的検証、また、再生能力の低いプラナリア(コガタウズムシ)を用いることによって、遺伝子操作による幹細胞の人為的活性化・頭部再生誘導を世界で初めて実現することができ、おおむね順調に進展している。現在、その成果を論文にまとめ投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1、次世代シークエンサーを活用して、ナミウズムシ頭部再生過程におけるさらなるトランスクリプトーム解析をおこない、再生の開始に関わる液性因子をコードする遺伝子の同定をめざす。次に、それら因子とノウダラケ遺伝子の役割をRNA干渉法および生化学的手法によって調べる。また、コガタウズムシにおいてもホモログ遺伝子を同定し、その機能を調べる。 2、新規キナーゼ遺伝子の機能解析:この遺伝子が制御しているシグナル経路を同定し、その詳細な機能を生化学的手法によって調べる。
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