2010 Fiscal Year Annual Research Report
肥満におけるアディポサイトカイン異常と病態発症機構の解析
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
22126008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
船橋 徹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (60243234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 堅 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (10437329)
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Keywords | 内科 / 糖尿病 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
わが国は欧米にくらべ高度肥満者は少ないが、肥満度が軽度でも腹腔内腸間膜周囲の内臓脂肪蓄積が、インスリン抵抗性、2型糖尿病、脂質異常、高血圧、脂肪肝炎、慢性腎臓病、高尿酸血症、さらに動脈硬化疾患等、多彩な病態と関わる。内臓脂肪蓄積による病態発症のメカニズムは未だ明らかでないが、脂肪細胞絶対量より機能異常が問題と考えられる。私達は脂肪組織局所の炎症、低酸素、酸化ストレス蓄積などの機序を示してきた。これらにより脂肪細胞の機能異常、特にアディポサイトカインと呼ぶ脂肪細胞内分泌因子の異常がおこる。私達が発見し機能解析を進めてきたアディポネクチンは血中濃度が低下し、種々の臓器の酸化ストレス蓄積や線維化などの病態に関与する。本研究は、これら一連の異常を一つの病態として確立し、効率的な予防医学に繋げるため、内臓脂肪蓄積および特にアディポネクチンの物性に着目し、低アディポネクチン血症の成因、アディポネクチンの血中での動態、低アディポネクチン血症による病態発症機構について検討を進める。本年度は、アディポネクチン分泌に関わる低酸素の影響を内臓脂肪、皮下脂肪別に示した(JAT2010)。さらにアディポネクチンと慢性腎臓病(アルブミン尿)との関連を検討し、内臓脂肪蓄積の重要性を示した(Atherosclerosis 2010,Diabetes Care 2010)。 内臓脂肪蓄積の性差と肥満関連動脈硬化疾患危険因子の関係、内臓脂肪蓄積抑制による心血管疾患抑制について示した(JAT 2010,Atherosclerosis 2010)。 またアディポネクチンの組織結合性、血中での複合体形成に関わる検討を進めた。
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Research Products
(5 results)