2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
22126010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kiryu University |
Principal Investigator |
清水 弘行 桐生大学, 教授 (20251100)
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Keywords | ネスファチン-1 / 肥満 / 食行動調節 / 高脂肪食 / 視床下部 / 脂肪組織 |
Research Abstract |
肥満状態における食欲制御機構の破綻機序を解明する目的により、今年度において以下の検討を行った。(1)視床下部腹内側核(VMH)破壊動物を作成し、中枢からの神経情報の変化時の脂肪組織におけるアディポカイン産生変動につき解析した。VMH破壊にて血中アディポネクチン濃度の上昇とともに、ネスファチン-1濃度の減少が観察された。皮下及び内臓脂肪組織におけるアディポネクチン発現の増加を認めるとともに、アトロピンの継続投与によりVMH破壊効果は消失した。またカルバコールの持続投与も血中アディポネクチン濃度を上昇させた。以上の結果より、副交感神経系を介した脂肪組織におけるアディポカインの合成調節機構の存在が明らかとなった。(2)高脂肪食により血中脂質濃度の変動を来した際のアディポカイン産生変動については、血中ネスファチン-1濃度が2週間及び6週間にわたる高脂肪食による飼育により明らかな減少していたが、髄液中のネスファチン-1濃度には変動を来さず、中枢と脂肪組織にともに発現する摂食行動調節蛋白発現への高脂肪食の影響の一端を解明した。(3)ネスファチン欠損マウスにおける解析においては、長期間の飼育により体重減少が観察された。同欠損マウスにおいては肩甲骨間褐色脂肪組織におけるミトコンドリア量が著しく増加しており、何らかの機序による熱産生機能の亢進が長期の体重減少に寄与しているものと考えられた。
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Research Products
(3 results)