2012 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of visualization of stress distribution in cells and tissues toward understanding of morphogenesis from biomechanical viewpoint
Project Area | From molecules, cells to organs : trans-hierarchical logic for higher-order pattern and structures |
Project/Area Number |
22127008
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 健郎 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30209639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 修啓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20532104)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / 力学解析 / 細胞・組織 / 発生・形態形成 / 生物・生体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
胚を様々な断面で切断した際の断面の凹凸を調べることで,発生途中の胚内部の応力分布を明らかにすることを目指し,5年間に亙る研究を進めている.内部に局所的に引張とその反作用としての圧縮が作用した物体があった場合,これを力の作用方向と垂直な断面で切断すると,引張力の作用していた部分は陥没し,圧縮力の作用していた部分では突出することが予想される.従って断面の凹凸を細かく調べることで胚内部の応力分布が推定できる.これが測定原理である.試料には操作性を考慮し,アフリカツメガエル原腸胚を重点的に用いている.様々な可能性を探ったものの,従来,使用を想定していた環境制御型走査型電子顕微鏡ESEMが観察中の断面の変形を押さえることが困難であること,また,高真空観察の際にも試料作成時の変形を押さえることが困難であることが判明したため,3年目の本年度は,新たに,形状測定レーザマイクロスコープを導入し,これに水浸レンズを取り付けることで,水中での新たな観察系を構築した.これにより,ホルマリン固定した試料ではあるが,細胞ひとつレベルの凹凸まで明瞭に観察できるようになった.一方,昨年度確立した胚表面に紫外線レーザビームを当てることで熱変性を起こさずに胚に孔を空け,その際の周辺組織の変形から胚表面の張力分布を推定する系を用い,計測データの蓄積を行った.ステージ10の胚の表面を集中的に観察したところ,原口部分の開きが特に大きいことが判った.この結果と細胞の移動とを組合わせ,モデルで考えると,細胞ひとつひとつが力を出していると言うよりも,原口部分で内部に引張っていると考えると説明できる変形であることが判った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した断面の力学特性計測系の確立には至っていないが,ESEMによる断面の詳細観察の代わりに,形状測定レーザマイクロスコープにより断面の詳細な形状計測が行えるようになったこと,また,レーザ・アブレーションを利用した胚表面の張力分布測定法のデータ蓄積により,胚内の力の分布に新たな知見が得られたから.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度測定が可能となった水中で断面の詳細計測に関し,様々なステージでの断面データを蓄積し,発生に伴う胚内の力分布の変化を明らかにする.特に,未固定胚についての断面計測法を試みる.また,力学特性を計測する系を確立し,これらを組合わせて,胚内の応力分布を知る手がかりを得る.
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] C2013
Author(s)
Sugita S
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Journal Title
Bio-medical Materials and Engineering
Volume: 23
Pages: NYD
Peer Reviewed
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