2012 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of dormant cancer stem cells and their niche properties in human solid tumors
Project Area | Development of Novel Treatment Strategies Targeting Cancer Stem Cells |
Project/Area Number |
22130005
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 真二 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30253420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70190999)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 消化器癌 / 癌幹細胞 / プロテアソーム / 分子標的剤 / トランスジェニックマウス / 細胞周期 / 可動性 / Rho-GAP |
Outline of Annual Research Achievements |
固形癌における癌幹細胞の動態や局在について不明な部分が多く、生体内における幹細胞性の維持機構やニッチ微小環境の研究に大きな妨げとなっている。本課題では、幹細胞のプロテアソーム非依存性(田中)と細胞周期特性(森・石井)の二つのアプローチに基づいて癌幹細胞を可視化し、その動態や薬剤感受性をリアルタイムに解析している。さらに田中は発癌や癌進行における癌幹細胞のニッチ環境を解明するため、幹細胞可視化システムを導入したトランスジェニックマウス(Degronマウス)を作成している。 ①プロテアソーム非依存性を指標とした休眠型癌幹細胞の解析 プロテアソーム標的配列Degronモチーフと蛍光蛋白の融合遺伝子を導入して、ヒト消化器癌に内在する幹細胞分画の可視化した。イメージアナライザーにて癌幹細胞の特異的阻害剤をスクリーニングし、前臨床試験で腫瘍根絶効果を確認した。さらに発癌における癌幹細胞とニッチ解析を進めるため、このDegronシステムをC57BL/6J系に導入しトランスジェニックマウスを作成した。現在、安定した発現を認める系統を確認しF3世代まで育成しており、Degron トランスジェニックマウスを領域内のリソースとして共有し、共同研究の活性化を進めている。 ②細胞周期に基づいた癌幹細胞の転移機構の解析 細胞周期「静止期」「活動期」にある癌幹細胞の性状として、細胞周期を可視化的に峻別できるFucciシステムと生体イメージングを組み合わせて「静止期」の維持と抗癌剤耐性に関わる責任遺伝子に関して網羅的発現解析の結果から低移動度転写因子群を有力候補として注目し研究を進めた。その結果、「活動期」(G2・M期)において活性化し癌細胞の浸潤と転移で重要役割を担う新規分子群のうちでRhoGAPの1つARHGAP11Aを同定した。癌細胞の転移浸潤と細胞周期の関連性を明らかにし、創薬のための基盤を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ヒト膵癌幹細胞のみを標的とする薬剤を同定し、前臨床試験で治療効果を確認した。さらにトランスジェニックマウスの樹立にも成功した。 また、消化器癌細胞の細胞周期静止期とともに、細胞周期回転期に特異的な発現遺伝子システムを同定した。細胞周期特異的に蛍光を発するFucciシステムにより、これら2つの細胞周期を個体レベルでも可視化して把握する事が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
消化器癌の休眠機能の特性や細胞周期病態に応じた新たな分子機構は、新規の診断および治療のシーズとなる可能性を秘めており、開発研究を着実に推進する。
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Research Products
(27 results)