Planned Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
癌幹細胞は、自己複製能を有すると共にしばしば治療抵抗性を示して治療後に残存し、再び癌細胞を供給して再発の原因となる。急性白血病の治療には化学療法が広く用いられが、再発がしばしば見られ、5年生存率は30%程度と低い。その原因として考えられるのは化学療法に抵抗性を示す白血病幹細胞で、再発のない根治療法の確立には白血病幹細胞を完全に除去することが必要である。我々は急性骨髄白血病のがん幹細胞にはM-CSFRの発現が特異的に高いことを見出した。M-CSFRプロモーター下流に条件的アポトーシス誘導遺伝子を連結した人工遺伝子を導入したトランスジェニックマウスに白血病関連遺伝子MOZ-TIF2を導入し白血病を誘導した後、がん幹細胞を含むM-CSFR高発現細胞にアポトーシスを誘導すると白血病が治癒することを明らかにした。この結果は、白血病マウスから白血病幹細胞を除去すると白血病が完全に治癒することを示している。MOZ-TIF2融合遺伝子によるM-CSFRの発現誘導は、MOZ-TIF2が転写因子PU.1と複合体を形成し、この複合体がM-CSFR遺伝子プロモーター領域に結合して転写を活性化するためであることを明らかにした。MOZ-TIF2による白血病は、PU.1遺伝子欠損マウスでは誘導されないこと、条件的にPU.1遺伝子欠損を誘導すると白血病が維持されないことから、PU.1を介した経路が白血病の誘導や維持に必須であることが明らかとなった。M-CSFR特異的なチロチンキナーゼ阻害剤を白血病モデルマウスに投与する顕著に発症が遅れることから、M-CSFR特異的チロチンキナーゼ阻害剤が治療に有効であることが示唆された。
All 2011 2010
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (2 results)
J Biol Chem
Volume: 28 Pages: 18251-60
Nature Medicine
Volume: 16 Pages: 580-585
Cancer Cell
Volume: 17 Pages: 198-212