2014 Fiscal Year Annual Research Report
癌幹細胞の自己複製と未分化性維持の分子メカニズムの解明
Project Area | Development of Novel Treatment Strategies Targeting Cancer Stem Cells |
Project/Area Number |
22130006
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
北林 一生 独立行政法人国立がん研究センター, その他部局等, その他 (20261175)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | cancer stem cells / isocitrate dehydrogenase / acute myeloid leukemia |
Outline of Annual Research Achievements |
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)1/2の変異は、急性骨髄性白血病(AML)やグリオーマ、軟骨肉腫や胆管癌等のさまざまながんにおいて高頻度に生じている。AMLにおいては、IDH変異はNucleophosmin(NPM)、DNMT3A、FLT3の変異と高い頻度で同時に起こる。変異型IDHだけではAMLを発症するには十分ではないため、変異型IDHと共に複数の変異を同時に持つことがAML発症に必要であると考えられた。我々は、NPM+/-の造血系前駆細胞に変異型IDH2と共にNPM, DNMT3A, FLT3の変異体を同時に発現させてAMLを発症するモデルマウスを作製した。このとき、INDF4変異遺伝子のうちどれか一つを欠いた3遺伝子の組み合わせではAMLの発症が著しく遅延したことから、INDF4変異遺伝子全ての発現が速やかにAMLを発症させるためには必要であることが明らかになった。 変異型IDH2がAMLの維持に必要であるかを調べるために、IDH2/R140Qをloxp配列で挟み込み、tamoxifenによりCreの発現を誘導してIDH2/R140Qをノックアウト出来る系を作製した。このfloxed-IDH2/R140QをNPMc, DNMT3A/R882H, FLT3-ITDと共にNPM+/-造血系前駆細胞に感染させてAMLを発症させ、そしてそのAML細胞を用いて2次移植を行った。2次移植したマウスにtamoxifenを投与すると2-HGレベルが減少し、そしてマウスの生存期間が著しく伸びた。tamoxifen投与をしたマウスのAML細胞では、まず既知の白血病幹細胞マーカー(L-GMP, MCSFR)を発現する細胞の割合が減少し、その後AML細胞の減少が起きていた。このことは、変異型IDHは白血病幹細胞の生存および維持には必要であるが、分化した細胞における必要性は低いことを示唆している。tamoxifen処理をしたAML細胞を3次移植すると白血病を発症出来なかったことから、白血病幹細胞性が失われていることが示された。すなわち、IDH2/R140Qは白血病幹細胞の維持に必要であることが明らかになった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)