2010 Fiscal Year Annual Research Report
システム生物学的手法を用いた癌幹細胞の新規分子標的の同定
Project Area | Development of Novel Treatment Strategies Targeting Cancer Stem Cells |
Project/Area Number |
22130009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 典子 東京大学, 医科学研究所, 特任准教授 (10251448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野原 邦彦 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (50549467)
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / 細胞・組織 / トランスレーショナル研究 |
Research Abstract |
1)乳癌幹細胞システムを制御する鍵分子並びにパスウエイの同定 乳癌幹細胞スフェア培養の系に、NFkBの特異的阻害剤DHMEQあるいはPI3 kinaseの特異的阻害剤LY294002を添加して、NFkBあるいはPI3 kinaseパスウエイを阻害し、この条件下で乳癌スフェアを形成させ、詳細な時系列をとってRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ解析を行い、網羅的にmRNA発現情報を取得した。 NFkBパスウエイ阻害により、69個の鍵分子候補が得られた。さらにPI3 kinaseパスウエイ阻害により、約900個の鍵分子候補が得られた。これらの分子群をシグネチャーとして使って、乳癌の組織型、転移、再発ひいては予後との相関を解析している。さらに、in vitro乳癌幹細胞培養の系を用いて、スフェア形成能に与える影響をみたところ、自己複製能に重要な役割を果たしていることが示唆される分子が多く抽出されてきた。これらの分子の多くは新規分子標的候補である。 2)乳癌幹細胞システムを制御する鍵分子の個体レベルにおける解析 HER2乳癌自然発症モデルであMMTV-neuマウスとFRS2betaノックアウトマウスを交配させたマウスを用いて解析を行った。その結果、FRS2betaによってErbBシグナルを効果的に減弱させることにより、癌幹細胞の自己複製能が維持される機序が考えられた。さらなる解析により、FRS2betaは、乳癌幹細胞の細胞周期を抑制することにより、癌幹細胞性を維持することが示唆された。
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Research Products
(24 results)