2012 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization and proteomics of chromatin remodeling in DNA damage response
Project Area | Coupling of replication, repair and transcription, and their common mechanism of chromatin remodeling |
Project/Area Number |
22131005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安井 明 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | クロマチンリモデリング / DNA修復 / DNA二重鎖切断 / 蛋白可視化 / 癌治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
転写制御を司るとして知られているクロマチンリモデリング因子が修復にどのように関与するかを明らかにする研究を進めた。多くの因子の中からENLと急性白血病の融合蛋白がレーザー照射に強く集積する事が分り、ENLに結合する蛋白を免沈と質量分析で決定したところ、ポリコーム蛋白のPRC1複合体のBMI1と結合する事が分った。PRC1は損傷に集積する事が知られているが、ENLが無いとこの集積は起こらず、驚いた事に、二重鎖切断の修復を行なうNHEJ機構のKU70/80タンパク質の集積も起きなかった。そこでENLの機能を調べたところ、PRC1がヒストンH2A, H2AXのPRC1によるユビキチン化に必要なことが明らかになった。H2AXのユビキチン化はATP依存的クロマチンリモデリングのSWI/SNF複合体を損傷の現場にリクルートするきっかけとなる。これらの詳しい解析を行い、論文を投稿中である。二重鎖切断のNHEJによる修復には、クロマチンのリモデリングが必要であることが知られているが、その中でも、ATP依存的にリモデリングを行なうSWI/SNF複合体は重要である。しかし、SWI/SNFファミリーに属する種々の複合体のうち、どの因子が必要であるかは明らかでなかった。種々の方法を開発してどの因子が重要かを決定した。その中で、最近、多くの癌細胞で変異が見つかっているARID1AがARID1Bと、この複合体のATPase活性を持つコアユニットBRMがDSBに集積するのに必要であると分り、同時に,これらを欠損すると細胞はX線やシスプラチンに感受性となる事が分った。これらのことは癌の治療に役立つと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クロマチンリモデリングとDNA修復との関係を、ENLのSWI/SNF機能への関与と、SWI/SNFに於けるARID1AとARID1Aの関与などから、その具体的な分子機構と癌治療への応用の可能性について明らかにした事。二重鎖切断の修復の上流にポリコーム蛋白複合体が働いているが、その複合体を損傷部位にリクルートする蛋白を見つけたこと。
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Strategy for Future Research Activity |
二つのクロマチン関連の論文の発表をした後に、修復に関与する多くのクロマチン関連蛋白のうち、KU70/80などの修復蛋白と損傷依存的に結合する因子を同定する。それらが、クロマチンリモデリングとDNA修復のインターフェイスで働く蛋白であり、それらの間の関係を明らかにする事により、幾つの機構が存在するかが分る。
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Research Products
(6 results)