2012 Fiscal Year Annual Research Report
Transcription-coupled repair and protein remodeling
Project Area | Coupling of replication, repair and transcription, and their common mechanism of chromatin remodeling |
Project/Area Number |
22131009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 亀代次 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80144450)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 転写と共役した修復 / 紫外線高感受性症候群 / 色素性乾皮症 / コケイン症候群 / UVSSA / USP7 / XPG / c-fos |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 紫外線高感受性症候群 (UVSS) は、皮膚の日光過敏性、色素沈着を示す遺伝性疾患で、「転写と共役した修復」(TCR) を特異的に欠損している。我々は、TCR機構解明の一助として、遺伝的相補性A群UVSS (UVSS-A)の原因遺伝子をクローニングし、UVSSAと命名した。UVSSAをノックダウンした細胞はTCR欠損を示した。UVSSAは脱ユビキチン化酵素USP7やCSA(コケイン症候群A群タンパク質)と複合体を形成し、UV照射細胞ではRNAポリメラーゼII(RNAPII)やCSBとも結合した。さらにUVSSAはUV照射後のCSB蛋白質の脱ユビキチン化や低リン酸化型RNAPIIの回復に関与し、UV後の転写再開に関わることを明らかにした。2. MMS19が細胞質の鉄硫黄クラスターアセンブリー(CIA)因子であるという視点から研究を進めた。MMS19ノックダウン細胞は、それぞれNER、DNA鎖間架橋修復、相同組換え、染色体分配に関与しFe-SクラスターをもつXPD、FANCJ、RTEL1、DDX11が著明に減少し、UV、マイトマイシンC、γ線、メチルメタンスルフォネートに高感受性を示した。さらに、MMS19 、MIP18、CIAO1はコアCIA因子であるのに対し、IOP1は外部因子としてCIAに関与することを明らかにした。3. EGF処理細胞のc-fos遺伝子において、XPGがRNAPIIや他の転写因子と共に、転写開始部位のみならずORFにもリクルートされることを、ChIP法を用いて明らかにした。EGF処理後のc-fos遺伝子の転写活性化は、XP-G患者細胞では正常であったが、XPとCSを合併するXP-G/CS患者細胞では欠損していた。以上、XPGが転写にも必須であり、XP-G/CS患者のコケイン症候群徴候は転写機能の欠損が関与していることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
UVSSA遺伝子のクローニングと機能解析を計画に沿って遂行し、成果をNature Genetics誌に掲載することができた。MMS19の新規機能、すなわち、CIA因子であることを明らかにすることができ、その論文がJ. Biological Chemistryに受理された。XPGの転写機能の解析も進展し、現在論文を執筆中であり、まもなく投稿できる。
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Strategy for Future Research Activity |
CSBをユビキチン化するユビキチンリガーゼの特定を引き続き試みる。また、USP7の脱ユビキチン化活性に及ぼすUVSSAの機能を明らかにする。CSB蛋白質のユビキチン化されるリジン残基を特定し、UV照射によってユビキチン化されない変異CSBを発現する細胞を樹立する。そのTCR機能、例えば、紫外線感受性、DNA鎖特異的DNA損傷の除去能、紫外線照射後のRNA合成の回復、転写を停止したRNAポリメラーゼIIOへのTCR因子のリクルート能を解析し、CSBユビキチン化の意義を明らかにする。さらに、CSAユビキチンリガーゼ複合体によるRNAPIIのユビキチン化のTCRにおける意義についても引き続き解析を行う。
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Research Products
(7 results)