2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecular mechanisms for establishment of sex differences. |
Project/Area Number |
22132007
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
田中 実 基礎生物学研究所, 生殖遺伝学研究室, 准教授 (80202175)
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Keywords | 性分化 / ホルモン / 生殖腺 / メダカ / AMH |
Research Abstract |
野生型メダカ性分化の特定時期の胚から特定細胞をFACSで単離し、マイクロアレイ解析を行った。雌雄差のある遺伝子候補がいくつか見いだされ、実際に雌雄で発現差が見られるか、qPCRとin situ hybridization法を用いて解析を行った。その結果、発現差のある遺伝子を確認することができ、雌雄差と発生段階との遺伝子発現変動を総合的に解析することができた(日本分子生物学会発表)。とりわけ性分化初期の特定細胞では、性差より発生段階による遺伝子変動の方が大きいことを見いだした。このことはごく少数の遺伝子が性分化をもたらしていることを示唆している。またそれらの遺伝子機能について、モルフォリーノやトランスジェニック、さらにキメラ解析を用いて調べつつある。 このアレイ解析に加え、次世代シークエンサーを用いた時期特異的特定細胞のトランスクリプトーム解析にも着手した。FACS単離による少数細胞からcDNAを合成する条件設定を行いつつあり、そのサンプルを用いて網羅的発現遺伝子同定の予備実験を開始した。 一方で、ホルモンによる性分化の基礎過程を確認するために、アンタゴニストやホルモン投与による性分化過程における影響を、細胞種を識別しながら解析を行った。雌に性転換する変異体メダカ(hotei:AMH制御系の機能欠失変異体メダカ)についても同様な基礎過程の解析を行いつつある。そしてホルモンによって特定細胞のエピゲネシスに着目し、解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
性ホルモンによる性分化の基礎過程の解析、マイクロアレイによる解析、トランスクリプトーム解析も進行して性分化に関与する遺伝子候補が得られつつあるため。またホルモンによるエピゲノム制御解析についても予備実験が開始できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
雌雄差のある遺伝子の詳細な発現機能解析を行うとともに、次世代シークエンサーを用いたトランスクリプトーム解析を行い、発現差の検証と発現差を示す新たな遺伝子の探索と機能解析を行う。また性ホルモン受容体が結合する座位が検出できるトランスジェニックメダカを確立し、ホルモンによるエピゲノム制御との関係が解析できる系の構築を試みる。
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