2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | HLA polymorphism, disease and evolution |
Project/Area Number |
22133007
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
颯田 葉子 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (20222010)
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Keywords | 進化 / ペプチド / 細菌・ウィルス / ゲノム / ハプロタイプ / 組み換え |
Research Abstract |
本年度は、以下の四つの項目について研究を推進した。 1) HLAの進化学的パラメータの検証: HLA-A,B,C,DRB1,DQB1,DPB1の6遺伝子座についての、組み換えの影響のない配列を選択して、進化学的パラメータ(突然変異率、集団の有効な大きさ、自然選択の強さ)を推定した。得られた推定値は、1990年代前半の推定値とほとんど変わらなかった。現在この結果は国際誌に投稿準備中である。 2) ペプチド結合領域(PBR)の進化過程の解明: 上記1)の解析を通して、PBRでの特異なアミノ酸置換の様相が明らかになった。対立遺伝子間に蓄積するアミノ酸の置換速度は、一度減速して、再び加速する。このような進化の様相には、PBRの機能分化が関与していることが明らかになった。この結果は、現在、国際誌に投稿準備中である。またこの他に、アカゲザルとの比較研究のためアカゲザルのMHCの対立遺伝子配列を収集した。 3) HLAの多型を維持する進化モデルの検討: 「divergent allele advantage model」について、コンピュータシミュレーションを行うためのシミュレーションプログラムの作成を行っている。 4) ハプロタイプの成り立ちについての検討: 日本人集団に特有なハプロタイプの起源を明らかにするために、ハプロタイプのSNP解析を行い、ハプロタイプを構成する基本的なブロックの同定を定量的に行う。そのために必要な、解析プログラムの作成を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、交付申請時に4つの研究計画を提示した。その4点のうちHLAの進化学的パラメータの検証とペプチド結合領域(PBR)の進化過程の解明の2課題については、課題についてその成果をまとめることができる段階に進んだ。また残る2課題についても、現在コンピュタシミュレーションに必要なプログラムを作成しており、近いうちに解析を始めることができる状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度以降は、ハプロタイプの解析と、selection modelの構築について焦点を当てた研究をおこなう。主な研究手法は、コンピュータシミュレーションとデータ解析である。特に、ハプロタイプの解析では、他の研究班との連係協力を密に遂行したい。
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Research Products
(6 results)